予測モデルの是非

米国では、新型コロナウイルスによる死者数が10万人から24万人と予測されていたが、6万5千人の見通しになったという。予測モデルの最悪ケースは数百万人だが、専門家は現実的には起こらないと言っている。ところが、トランプは良いとこ取りして「トランプ政権の対応による成果で何百万人の命が救われた」と強調した。実は6万人超に膨れ上がった要因はトランプの感染軽視にあるのだが、決してそれは言わず、最悪ケースと比較しバーチャルな成果を強調する。予測モデルを逆手に取っている。一方日本では、厚労省クラスター対策班の西浦北大教授のシミュレーションが政治を動かしている。専門家会議で「感染爆発が起こるというシミュレーション」を発表し、7都府県に緊急事態宣言が発出された。その後「接触8割減にしないと42万人が死ぬ」と発表し、政府は緊急事態宣言を全国に広げた。今や日本は8割減一色だ。ところが、この西浦シミュレーションはブラックボックス化されていて、他の科学者からは検証出来ず科学的根拠は不明だ。本人もあくまでモデル計算だから現実そのものではないと言っている。本人の「接触8割減にしなければ」という拘りだけが政府を動かしているようだ。一方で、中村筑波大教授は平易で科学的なモデルを推奨しているが政府には採用されていない。結局日本は予測モデルに翻弄されている。