BCGの苦い思い出

もう60年以上前のことだ。夏が近づく頃、毎年結核の免疫を確認するためツベリクリン注射を打たれた。発赤の長径が10mm未満ならば陰性、10mm以上ならば陽性と判定される。陰性の場合は結核に対する免疫を持っていないので、更にBCGを注射されることになる。この注射が痛い。そして膿む。従ってその夏はプールが禁止される。自分は数年間陰性だったことがある。そのため何年も痛い思いをして好きな水泳も出来なかった苦い思い出となっている。高学年になると、知恵が発達しツベリクリンの発赤を測る前に定規で叩いて赤くしたものだ。自分にとっては、にっくきBCGだが、他の効用もあるかもしれないとのニュース。新型コロナウイルスにより、イタリア、スペイン、米国では死者が1万人を超えたが、日本、韓国、ポルトガルは異常に少ない。この要因がBCGワクチンを定期的に接種してきたことによるかもしれないとのこと。BCG効果に各国も注目し、オランダやオーストラリアでは、医療従事者を対象にBCGワクチンの効果を検証する臨床試験が始まったという。まさかこの歳になってBCGを思い出すとは思わなかった。