体内でも輝く時代に

英ブリストル大学の研究チームが人工ダイヤモンドと放射性炭素14による電池を開発したとのニュース。放射性元素を使った原子力電池は長持ちすることが特長だ。かつて木星探査機ガリレオや土星探査機カッシーニに使われていた。でも打ち上げ失敗などでプルトニウムなどの放射性物質をまき散らす恐れがあるので、現在は太陽電池が使われている。今回の研究の成果は、放射性炭素14を使ったことにある。炭素14は、短距離放射線を放出し、人体には有害だが、ダイヤモンド中に保存すれば放射線が閉じ込められ安全とのこと。原子力発電の減速材として用いられた黒鉛から抽出可能で、抽出すると放射能が低下し放射性廃棄物の保管コストが削減できるメリットもあるという。このダイヤモンド電池は低電力であるものの、寿命の50%に達するのに5730年かかるとのこと。この電池は交換や充電が不要なのだ。埋め込み型心臓ペースメーカーの電源として、昔はプルトニウム、ニッケル63、今はリチウム電池が使われているが、あと10年もするとダイヤモンド電池になるのだろう。ダイヤモンドは外装を飾るだけでなく、体内でも輝く時代になるのかもしれない。