極彩色の麒麟がきた

NHK大河ドラマを見なくなって久しい。見たと記憶に残っているのは10年前の「龍馬伝」と6年前の「軍師官兵衛」だけ。今年の明智光秀が主役の「麒麟がくる」は前宣伝が凄かったから第1回は見ることにした。ストーリーや配役よりも衣装の極彩色に驚いた。このど派手な衣装は16世紀の戦国時代にはそぐわないと感じた。衣装を手掛けたのは黒澤明監督の長女とのこと。道理で黒澤明の「夢」の派手さと似ている訳だと納得した。制作統括のチーフ・プロデューサーは「庶民も含め、いつ死ぬか分からない時代なので、町なかが平穏な時はカラフルな衣装を着ている」という時代考証に基づいて演出したと言っている。そういう心理は理解出来るが、果たして当時にこれ程の染色技術が存在していたのか怪しく思う。一方で時代劇映画には、現在と同じような古めかしい寺社が出てくる。昔は艶やかな朱色だったに違いない。そう考えると、極彩色もあながち間違いではないと思えてきた。