易しい銀行経営

SBIが福島銀に出資とのニュース。島根銀に続く「SBIによる第4のメガバンク構想」の第二弾だ。20~30年前は、銀行が証券会社を取り込むのが当たり前だった。ところが、時代が移り証券会社が銀行を取り込む時代になった。いま地方銀行は疲弊している。要因は二つ。日銀のマイナス金利政策と銀行自身の重いシステムだ。マイナス金利政策により地銀の再編は避けられないが、再編の壁は高い。そのネックとなるのが地銀のシステムコストと行員のプライド。吸収しても、吸収されても、それが問題になる。ところが、証券会社はフットワークが軽い。ネット技術や金融商品の販売ノウハウで優位にある。しかも、システムは再編容易なクラウドだ。だから重たい地銀が、軽い証券会社に飛びついたという構図だ。時代は移ろいゆくもの。その典型がみずほ銀行だ。第一勧銀、富士銀行、日本興業銀行で再編されたのが2002年。でもシステムが統合されたのは昨年。しかも戦艦大和のような重いシステムを構築した。身動きがとれないし莫大な維持費が必要だ。だが、いまやクラウドの時代に移っている。戦艦大和がみずほの業績を引っ張っている。もし、時代を先取りし、クラウドを指向していれば、みずほ銀行は国内随一の銀行になっていたのかもしれない。難しいようで、易しいのが銀行経営なのかもしれない。