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30日 11月 2019
風が吹けば桶屋が儲かるという諺がある。何か事が起こると、巡り巡って意外なところに影響が及ぶことの喩えだ。現代では、可能性の低い因果関係を無理矢理つなげてできたこじつけの理論・言いぐさを指す。ところが、技術の発展により「風が吹けば・・・」が現実に起きそうな事例があるという。次世代の高速通信システムである5Gの実用化によって、天気予報の精度が30%も低下し1980年代レベルに逆戻りする可能性があると懸念されている。米国では5Gの帯域として24GHz帯を割り当てている。一方で、気象衛星は水蒸気を観測するために23.6~24GHzの周波数で動作するセンサーを搭載している。この2つが干渉すると気象衛星のデータ収集と送信が大幅に妨害される恐れがあるという。残念ながら5Gが本格稼働しないとその影響は分らないとのこと。日本では5Gに28GHz帯が使われる。5Gアンテナからヒトに有害なレベルの非電離放射線が発せられ、健康被害の出る恐れが懸念されている。「風が吹けば・・・」が現実に起きなければ良いのだが。
29日 11月 2019
100年後の世界を予測する記事が花盛りだ。でも、明日の天気予報も当たらないのに果たして100年後を予測出来るのだろうか。発端は、今から100年前の1920年に政教社が出版した「百年後の日本」だ。当時の知識人350人が100年前に今年の予測を寄稿した。だが結構当たっている。飛行機の出現、IT技術の発達、コンビニの出現等々。一方現代では三菱ケミカル小林会長がThe Global KAITEKI Centerを設立した。まさに「100年先の世界と地球」を見据えた技術やノウハウを生み出すために設立された研究所だ。貫くテーマは持続可能性とのこと。小林はKAITEKIという言葉を、トヨタが広めたカイゼンに続く世界共通語にしたい考えとのこと。確かに10年先では近過ぎ、1000年先ではピンと来ない。100年先は想像可能なのかもしれない。ドラえもんが誕生したのは2112年9月3日。まさにドラえもんは100年後の世界だ。現代予測として100年後には世界人口が110億人まで膨れ上がる。そのうち7割は都市に集中するという。しかも、温暖化で現在の巨大都市の多くは水没してしまう恐れもあるという。そこで海上都市の建設技術を持つ会社が脚光を浴びるという説もあるようだ。でも、先は長い。当たるも八卦当たらぬも八卦とは言うが、100年先を考えることは、極めて有効的なことだと思う。
28日 11月 2019
今日は48年目の結婚記念日だ。カミサンのお好みのフレンチ・レストランに行って美味しいものを食べてきた。昔は結婚記念日といえば、7周年の銅婚式、25周年の銀婚式、50周年の金婚式しか無かったように思う。ところが、今はのべつ幕無しだ。1周年が紙婚式、2周年が藁婚式、3周年が革婚式という具合。よく見ると、(金属)婚式が多い。6周年が鉄、8周年が青銅、10周年がアルミ、11周年が鋼鉄だ。我が家はあと2年で金婚式を迎える。15周年以降は5年毎になるので、48周年は無名だ。そこで我が家独自の結婚記念日を命名することにした。自分は化学を生業にしてきた。だから周期表が身近な存在だ。周期表で金Auは第79番目の元素だから、2つ前の第77番目のイリジウムIrを採ってイリジウム婚式と呼ぶことにした。このまま長生きすると、55周年のエメラルド婚式、60周年のダイヤモンド婚式が待ち構えている。まさかカミサンがその年になってエメラルドが欲しい、ダイヤモンドが欲しいなどとは言い出すまい。その頃は宝石の価値も自分の存在すらも分らなくなってしまっているかもしれない。
27日 11月 2019
ローマ教皇フランシスコが広島で戦争の悲惨さ、核兵器の不要さ、未来を語る国際的なリーダーシップの不在さを訴えて帰路に着いた。フランシスコ教皇は元々バチカンの腐敗を改革するために選出された。その後共産圏との宥和を進め、キリスト教東西分裂以来ほぼ千年ぶりにロシア正教との会談を実現したし、司教任命権で中国と暫定合意し国交を回復させた実績がある。極めて稀有な教皇だと思う。世界を見渡すと、何と戦争が多いことかと思う。その殆どが宗教対立に起因している。キリスト教対イスラム教、ユダヤ教対イスラム教、ヒンドゥー教対イスラム教、イスラム教の宗派対立、プロテスタント対カトリック等々、数え上げたら切りが無い。今こそ、各宗教のトップが宥和のため腰を上げるべき時だと思う。フランシスコ教皇こそ、その呼びかけを行う適任者だと思う。フランシスコ教皇がイランの最高指導者ハメネイ師と会談するだけでも、世界は変わってくると思うのだが。
26日 11月 2019
久々に大型買収の話が進んでいる。海外ではルイヴィトンLVMHがティファニーを約1兆8千億円で買収することに合意したという。一方日本では昭和電工が日立化成を買収する優先交渉権を獲得したという。買収額は約9千億円と見られている。LVMHはファッションと小売りが柱で、手薄の時計・宝石を強化させるのが狙いだ。同一業界内の弱い分野の補強だから上手くいきそうだ。一方昭和電工は日立化成を買収して相乗効果が出るのだろうか。日立化成はスマホに使う半導体の封止材料やリチウムイオン電池の負極材などで世界でも高いシェアを持っている。昭和電工から見れば魅力的に映るのかもしれない。だが、日立化成は小さな事業の集合体で、昭和電工に較べると一人当たりの生産性が極めて悪い。もし、買収に成功しても、まずは事業の整理・リストラから手を付けざるを得なくなるに違いない。簡単に言うと、売り上げ・組織は大きくなるが1+1の相乗効果は期待出来ない。寧ろ買収額9千億円の半分程度はドブに捨てることになるかもしれない。発表により、昭和電工の株価は-6%下がり、日立化成は+15%上がったのは、昭和電工に対して無謀なことはするなという市場からの警告だと思うのだが。
25日 11月 2019
香港の区議会選挙で民主派が圧倒して勝利を収めた。4年に一度の選挙。投票率は前回の47%をはるかに上回る71%。結果は民主派385議席対親中派59議席。誰も予想しなかった驚愕の選挙結果だった。高い投票率と民主派圧勝は、間違いなく中国政府にNOを突きつけたと言える。香港市民が如何に自由を願っているかが伝わってくる。一方米国では、中国当局による人権弾圧を裏付ける内部文書が流出しニューヨークタイムズが掲載した。ウイグル族の大量拘束に関する党上層部の指示などが書かれている。習近平がウイグル自治区で現地の職員らに対して、テロリストや分離主義者を容赦なく取り締まれと指示した未公開の演説原稿も含まれている。現にウイグル人を100万人も強制収容している。分離主義者とは少数民族だけでなく、香港や台湾も指すと考えるべきだろう。今こそ世界中が中国の人権侵害に厳しい目を向け声高に非難すべき時だと思う。香港選挙が蟻の一穴となり、潮目は変わるかもしれない。
24日 11月 2019
今日は恒例の同期会。約半世紀前の初任地の仲間だ。その2年後には各地に別れていったが、まるで幼馴染みのようだ。気心が合うとはこういうことを言うのだろう。幹事は公平に持ち回り。今日の幹事はワイン通のH君。東京国際フォーラム内にある小洒落た酒蔵レストランを見つけてくれた。全国9つの蔵元がオフィシャルパートナーで、郷土の食と日本酒を世界に発信する店だと宣伝している。ビールで乾杯後、全員が利き酒セットを頼んだ。普通利き酒セットは3つのところが殆どだが、この店は何と9つもある。山形の大山、宮城の浦霞、栃木の開華、岐阜の久寿玉、京都の酒呑童子、奈良の春鹿、岡山の嘉美心、高知の司牡丹、大分の西の関。殆ど飲んだことのないお酒ばかりだ。実家が蔵元のW君は「最初は癖のない浦霞が良い」と言う。酒造メーカーの工場長をしていたF君は日本酒に精通していて蘊蓄を傾ける。飲み比べた結果、結局、司牡丹船中八策が一番旨いということで、W君とF君と自分の意見が一致した。東京国際フォーラムの場所は嘗て都庁があった。その前は土佐藩上屋敷があった。期せずして、土佐の司牡丹に軍配が上がったことに何か縁を感じる。もし次回行く機会があれば、龍馬の好物であった軍鶏鍋を所望しようと思う。
23日 11月 2019
昨日の土壇場になって、ついに韓国が日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAの破棄を停止すると発表した。韓国世論は破棄支持が多かったから、想定外のニュースとして伝えられた。でも、自分は韓国が最終的には破棄しないだろうと思っていた。協定上は日本も韓国も破棄出来ることになっているが、裏には米国がいるから、当事国の独断で破棄出来る訳がない。韓国は記者会見で「いつでも協定を終了できる前提の決定」であると語っているが、これは韓国政府の国民に向けた最大限の言い訳だろう。一方日本ではある政府高官が「ほとんどこちらのパーフェクトゲームだった」と語ったいう。この高官は二つの間違いを犯している。一つは、この問題を勝ち負けで判断するのは余りにも見識が無いこと。レベルが低く幼稚過ぎる。日本は何もしなかっただけ。したのは米国だ。もう一つは、この発言が今後の展開に水を差すこと。戦犯ものと言える。即刻実名を明かし、更迭すべき輩だと思う。
22日 11月 2019
今から40年くらい前の頃、化学会社の研究所勤務の時、所員の活性化を図るためアイデアコンペを企画したことがある。その時出てきたアイデアが採用されて実現したものはなかったが、後世になって第三者により実現されたものは多い。例えば、使い捨てカイロ。アイデアは出たが、具体的な達成手段までには至らなかった。自分は「空中に浮かぶ広告塔」を提案した。当時は夢のような技術だったが、その後ホログラフィーやプロジェクトマッピングで可能になった。セルロースの利用も考えた。木材はセルロースから出来ているから資源は豊富だ。だが、セルロースを使い易くする技術がなかった。ところが、技術開発が進展し、今ではセルロースナノファイバーが脚光を浴びている。東京モーターショーでは「木から出来たスーパーカー」が展示されていた。セルロースナノファイバーを樹脂に混ぜると、軽量かつ強靱になる。ガラス強化のFRPと違い燃えるのでリサイクル可能だ。環境に優しい化学技術が着実に歩を進めていることをとても嬉しく感じる。
21日 11月 2019
今年は5G(第5世代移動通信システム)元年だ。移動通信は10年スパンで世代が交代してきた経緯がある。1980年代の1Gは自動車電話などで移動しながらの電話が可能になった。1990年代の2Gは通信がデジタル化され、誰でも携帯電話が持てるようになった。2000年代の3Gはインターネットで画像が送れるようになった。2010年代の4Gはスマホで映像などを配信できるようになった。そして今年から5Gの世代に入る。5Gは4Gに較べ、通信速度が100倍速くなり、扱えるデータ容量は1000倍にもなる。5Gは第4次産業革命をもたらすとも言われている。ところが、日本は国が5G開発を援助しなかったから、出遅れてしまった。総務省の「モバイル市場の競争環境に関する研究会」では5Gを理解出来ない者同士で未だにトンチンカンな議論が行われているという。5Gも理解出来ないのに、政府は「ポスト5G」のため2200億円の基金を創設し、技術育成すると発表した。金を出せば技術が出来るというものではない。何にお金をかけるかの議論と共通理解が求められている。

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