問題多い血液クレンジング

血液クレンジングなるものが流行り出し批判を浴びているという。この療法の安全性や医療広告上の問題について、衆院厚生労働委員会で取り上げられた。血液クレンジングとは、100cc程度の血液を抜いて、体外でオゾンと酸素を混合し、また体内に戻すというもの。治療効果の謳い文句が凄い。疲労回復や美容だけでなく、免疫機能を活性化させガンに効き、血流を改善するため心疾患や脳梗塞を改善し、インターフェロンを産生するため肝炎やHIVにも効果があり、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症、リュウマチ、更年期障害、にも効果があるという。だが、問題が多い。まず、認可されていない自由診療だから効果があるのか分らない。治療効果が誇大広告で商法上の問題がありそうだ。血液を体内に戻すため血栓が生じる恐れがある。毒性のあるオゾンを体内に入れるため安全性に疑問がある。中世の西欧では瀉血療法が流行ったことがある。瀉血は単に患部の血液を抜くだけ。現代は殆ど行われていない。血液クレンジングは瀉血の現代版なのかもしれない。血液クレンジングで、抜いた血液にオゾンと酸素を混ぜると、青黒い血が鮮やかな赤色になる。ヘモグロビンが酸素と結合するから動脈血の赤色へと変色するのは当たり前だ。でも患者にはインパクト大。全てはプラセボ効果のなす術かもしれない。早急な安全確認が必要だ。