柳井社長をお目付役に

日経ビジネス「柳井正氏の怒り:このままでは日本は滅びる」を読んで柳井ユニクロ社長に対する人物観が変わった。今までは富を独占するだけの冷酷な人物だと思っていた。だが、その裏付けには卓越した日本観があることを知ったからだ。以下はその要旨。日本はこの30年間何一つ成長していない。世界の最先端の国から中位に落ちこぼれている。企業家の経営者がいず、サラリーマン経営者は最先端を取り込む努力が希薄だから会社は成長しない。日本人のDNAは必要だが、強みが弱みになっている。グローバル化が遅れている。誰も国内を見るだけで世界を見ない。だからゆでガエル状態になっている。誰も日本が滅びるとは思っていないのが大問題。それを解消するには、2年間で国の歳出を半分にして、公務員などの人員数も半分にする。国会も市町村議会も機能していないのに議員が多すぎる。選挙制度の改革が必要だ。安倍首相に文句を言える人がいないから政治自体が真面じゃない。アベノミクスの効果は株価が上がっただけ。GDPが増加していないことが証明している。今は憲法改正よりも日米地位協定を改正して、米国の属国から脱することが大切。企業が世界中で人材獲得の競争をしている中で、単純労働の人ばかり採用しようとしているが、外国の有能な人材を採ることが重要だ。未だに鎖国政策をとっている。グローバル化とは、訪日観光客の増加ではなく、外国人と一緒に仕事をするということだ。読後、柳井社長が首相のお目付役になれば、日本も少しは希望の持てる国になるかもしれないと感じた次第。