本質を突く灯明を

ウクライナ大統領選で圧勝した人気コメディ俳優のゼレンスキー氏が今日大統領に就任した。大統領を象徴する金の笏を高々と上げ「議会を解散する」と表明した。10月に予定の選挙を前倒しにすることにより、議会での多数派を目論んでいるのだろう。新大統領の課題はロシアから支援を受けている反政府勢力との紛争終結と汚職撲滅だと宣言した。まずは順調な出だしだと思う。更に「我々はサッカーではアイスランド人に、母国防衛ではイスラエル人に、テクノロジーでは日本人にならなくてはならない。みんなが違いを越えて幸せに暮らすためには、スイス人になる必要がある」と訴えた。テレビ・ドラマで、たまたま大統領になってしまう教師を演じて国民的な人気者となり、大統領選でポロシェンコ前大統領に圧勝したゼレンスキーは、政治家としての経験はなく、具体的な政策は明らかにしていない。しかし、大統領就任スピーチはケネディの格調高さには及ばないものの具体性には優れている。混沌として未来が見えない今の時代には、政治を知らない素人の方が本質を突く灯明をともすのかもしれない。頑張れゼレンスキー大統領。