カテゴリ:201905



31日 5月 2019
米中貿易戦争が激化している。米国は限定を外し全ての品目に25%の関税をかけるとしている。一方中国も25%の関税で対抗し、更にレアアースの輸出禁止を打ち出した。25%の関税とは、自国民が25%割り増しの製品を買わせられることになるので、両国民にとってハッピーな話ではない。国際的影響も大きい。正常な頭脳の持ち主ならば、米中貿易戦争を非難するのが当たり前だ。ところが、世の中はそんな道理は通用しないことになっているらしい。西側諸国はトランプに同調している。その典型例がファーウェイ問題だ。日本では官も民もファーウェイ排除を打ち出した。本当にファーウェイが中国情報機関に情報を流しているのかもしれない。一方米国ではNSAが秘密裏にグーグルやフェイスブックの情報を活用していた事実が明らかになっている。と言うことは、ファーウェイ疑惑は事実だと米国が証明しているようなもの。それが現実だ。その現実の中で賢い判断をしているのがマレーシアのマハティール首相だと思う。マハティール首相は各国がファーウェイを排斥する最中で使用継続を宣言した。中国の一帯一路のマレーシア内鉄道計画を反故にしながら、一帯一路を賞賛した。聡明な判断だと思う。マハティール首相は93歳になる。決して衰えてはいない。マハティール首相から見た世界観を各国に広めるべきだと思うのだが。
30日 5月 2019
スズキ自動車が新車の出荷前検査不正に伴い、鈴木修会長を1年間無報酬とし、鈴木俊宏社長は半年間月額報酬を50%減額すると発表した。スズキは排ガス・燃費の検査不正、安全性能検査データの改竄や無資格検査を組織的に隠蔽し、本来検査で不合格にすべき自動車を合格にしていたことが次々と明らかになっている。しかもその事実を国交省にも隠していた。極めて悪質だ。結局200万台以上のリコールを行い813億円の特別損失を計上した。スズキは2016年にも同様な不正が発覚し、その責任を取って鈴木修CEOが鈴木俊宏にCEOを譲ったが、その後CEOを廃止し会長に復帰している。見せ掛けのCEO返上なのだ。2016年の不正改善経験が生かされないばかりか、益々不正・隠蔽体質が悪質化している。その責任の取り方が1年間無報酬とは余りに軽過ぎる処分だと思う。鈴木修自身が自ら申し出た処分だという。もし、部課長級が減俸処分を受ければ、昇級の道は閉ざされるし、退社に追い込まれるのが常識だ。でも、鈴木修にとって減俸など屁のようなもの。鈴木修にはスズキを育て上げた功績はあるが、同時にガバナンスとコンプライアンスの無いガラクタ会社に貶めてしまった。そのうち広辞苑に「晩節を汚すとは鈴木修のような人物をいう」と載るかもしれない。
29日 5月 2019
昨日から京都に来ている。訪日客が急激に増え観光シーズンの京都市内は大混雑だというので、我が家はその時期を外し「青もみじ」の季節に来ることにしている。今年も正解だ。何処に行っても空いている。修学院離宮を初めて訪ねた。広大な敷地の中に後水尾上皇が造営した山荘と自然が保存されている。当時が偲ばれる。歴史遺産の在り方を見たような気がした。叡山電鉄で出町柳に出て、堀川今出川まで歩き晴明神社を参詣。晴明桔梗紋ともいわれる五芒星が印象的だ。厄除桃を触りインドにいる三男家族の無事を願った。観光案内書には載っていないが、堀川今出川から二条城まで約2kmにわたって堀川が散策路として整備されている。テレビドラマ「科捜研の女」のロケ地で知った。平日のためか殆ど人の気配が無い。静寂の中に細いセセラギが延々と続く。綺麗な水がゆったりと止めどなく下流に流れていく。京都は北から南になだらかに傾斜していることを実感した。平安京造営時の拘りがヒシヒシと伝わってきた。観光案内書には載っていない穴場中の穴場と言えそうだ。静かな京都を満喫した一日であった。
28日 5月 2019
突如FCA、ルノー、日産、三菱の統合話が持ち上がった。FCAとは欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズで販売台数は約500万台。ルノー・日産・三菱は約1000万台だから、統合すれば1位のフォルクスワーゲンを抜き世界一の自動車会社になる。ところが日産に取ってはそんなに甘い話ではない。FCAとルノーが対等統合すると、日産はルノー株式を15%しか保有してないので新会社の持ち分はわずか7.5%。役員も1人しか送れず、新会社への影響力は無いのも同然。このまま統合されれば日産は吸収されて消滅してしまう。FCAから見ると、ルノーと組めば日産がオマケでついてくるようなもの。ルノーから見ると、日産と膠着状態にある統合話を打開出来る可能性が出てくる。FCAとルノーにとっては美味しい話だ。ひょっとするとルノーが策を巡らしたのかもしれない。さて寝耳に水の日産は如何に対応するのだろうか。西川社長も経産省も心許ない。スーパー助っ人は現れるのだろうか。
27日 5月 2019
5年に一度の欧州議会選挙が行われ結果がほぼ判明した。欧州議会選挙はEU加盟国の市民による直接選挙だから、もろに市民の意見が反映する。独仏が牛耳る欧州委員長、欧州中央銀行総裁、EU大統領の人事よりも透明性は高そうだ。これまでは中道左派・中道右派連合が過半数を占め欧州議会を支配してきたが、初めて過半数を割った。代わりにEU懐疑派が議席数を伸ばした。中道リベラル派を加えれば親EU派が過半を占めるが、潮目は変わりつつある。欧州委員長、欧州中央銀行総裁、EU大統領の人事も影響を受けるはずだ。英国では離脱派が第一党になり、仏と伊も懐疑派が第一党になった。今までは中道左派・中道右派連合により官僚大国が形成されてきたが、これにブレーキがかかりそうだ。今後一般市民は官僚支配から抜け出せるかもしれない。自分には少なくとも、良い方向に進んでいるように見える。
26日 5月 2019
久し振りに母校に行ってきた。マンモス校ではないので極めて家族的な雰囲気がある。在校生も少ないし、卒業生も少ない。この大学には昔から卒業生を祝う行事がある。丁度結婚記念日のように、卒業25年目の銀祝、40年目のルビー祝、50年目の金祝があり、OB・OGが一堂に集まり祝福を受ける。今日はこの金祝に参加してきた。校歌斉唱の後、学長や理事長の式辞があり、金祝代表が挨拶し、祝状を戴いた。祝状にはラテン語で「さらに豊かな恵みのうちに世の光、地の塩となられますよう」と書いてある。遠い昔にアルマ・マーテルソフィアを卒業したことを実感させた。その後の祝賀会では化学科だけではなく洋弓部の同期の面々と久し振りに歓談した。皆容姿は変わったが、心は瞬時に50年前にタイムスリップした。その後の飲み会では更に盛り上がり、楽しいひと時を過ごした。数十年分若返ったような気持ちになった。偶には昔の仲間に会うのも良いものだ。若返りの妙薬とも言えそうだ。
25日 5月 2019
1987年にモントリオール議定書が制定され、オゾン層を破壊する物質の生産や使用などが規制された。その後、各国が生産・使用を中止し大気中に存在するフロンガスの濃度が確実に減少してきた。ところが、2010年頃から減少ペースが急激に落ちてきたことが問題視されていた。何処かで密かに生産されているかもしれないと。国立環境研究所などの国際チームが中国東部で2013年以降に大量に放出されているとの分析結果を発表した。中国東部では新たに製造・使用されている疑いが強いという。一方でイギリスのNGOが、中国山東省と河北省にある発泡剤の製造工場がトリクロロフルオロメタンを放出していることを突き止めた。現在中国当局は工場を閉鎖させる措置を取ったとしている。それにしても中国は何でも有りの国だと熟々思う。その中国では、いまアフリカ豚コレラが猛威を奮っている。中国の豚生産量は世界の半分を占めている。世界的な大減産が目前に迫っている。日本に上陸すれば養豚業は壊滅状態になるという。中国は今や世界第二の経済大国だ。その名に恥じない措置を願うばかりだ。
24日 5月 2019
ついにメイ首相が涙を浮かべながら辞任を表明した。メイはメディアから「イタドリ首相」と命名されてしまった。「イタドリ」とは日本に自生するタデ科の多年生草木。北原白秋 作詞 山田耕筰...
23日 5月 2019
コンビニの24時間営業や食品廃棄が社会問題になっている。24時間営業が問題になっている理由は、人手不足のためと言われている。だから大手コンビニ本部は無人化を検討している。食品廃棄は経済的なロスフードが問題とされている。本部は消費期限が近づくと強制的に廃棄するルールを決めている。食品衛生上は好ましいルールだ。消費者の安全は守られる。コンビニ業界は「値引きをしない」ことが暗黙のルールになっている。しかし、これらの無人化や廃棄ルールや値引きしないルールは全て本部に都合の良いお仕着せに過ぎない。現場の加盟店オーナーはそのしわ寄せを被っている。安い時給ではアルバイトは集まらない。だからオーナー自身が休みも取れず働き続けることになる。廃棄費用は本部持ちではなくオーナー持ちだ。だからオーナーは値下げしてでも売りたいが本部が許さない。何故このようなことが起きるのだろうか。答えは単純だ。富の分配が余りにも偏っているからだ。例えば2018年度のセブンイレブンの純利益は2030億円もあるのに、加盟店は奴隷のように働かされるだけで利益など殆ど出ない。ローソンもファミマも同様だ。富の分配を変えれば、コンビニはブラック業界から抜け出せる。富の分配を変えるには、経営理念を抜本的に見直し実行する必要がある。但し、それが出来る経営者がいればの話ではあるが。
22日 5月 2019
メイ首相が、とうとう再度国民投票をすると言い出した。混乱これ極まれり、というか、迷走の果て振り出しに戻ってしまった。イングランドと北アイルランドで地方議会選が行われ、保守党と労働党が大敗し、残留派の自由民主党が躍進した。スコットランドとウェールズでは地方選は行われていないが、残留派が圧倒的に多いから体勢は決している。23日には英国内での欧州議会選が行われる。ファラージが率いる離脱党が保守、労働の二大政党を上回る支持で首位に立っている。結局メイの迷走が保守党と労働党との支持を急減させている。最早離脱も残留もままならい状況に陥っている。そこにあろうことか再度国民投票をするという。一体何の意味があるのだろうか。結果が残留であれ離脱であれ、対立の溝が深まり混乱が益々増すだけ。メイは頑固だが信念が無かった。国家の一大事をリードするどころか迷走し混乱させただけ。敢えて良さを挙げれば、二大政党制を崩壊させたことだと言えるかもしれない。英国は振り出しに戻って政界再編から始める必要がありそうだ。

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