うなぎ登りの学費

1990年代から20年以上長いデフレが続いている。でも、その例外が大学の学費だ。2016年度大学入学者の(入学金+授業料)は、国立大82万円、私立大113万円。1988年と較べ、国公立大は約2倍、私立大は約1.5倍に跳ね上がった。国立大の場合、1970年頃の授業料は1万2千円だった。ところが学費格差が問題視され、毎年値上げされ2004年には私大を追い越した。更に国立大は2004年に法人化され独立採算制になったが、値上げすれば国からの交付金が削減される。だから身動き出来ない状況に陥っている。一方私大は高度成長時代に大学進学率が高まり、大学を生めよ増やせよの状況になった。原資は学費の値上げだ。1970年に国からの私学助成が始まり大学創設は加速化したが、財政難により助成の縮小。結局大学を維持するには、授業料の値上げしか無くなった。それを補うのが奨学金制度だ。かつての日本育英会から日本学生支援機構に改組された。以前は「低所得で成績優秀」の学生に限られていたが、今は誰でも借りられる学生ローン。学生の4割がこれに頼っているという。結局、腰の定まらない政府が大学と家計を苦しめているということのようだ。