英国の行方

3月29日午後11時(日本時間30日午前8時)がタイムリミットだった。しかし、メイ首相の離脱協定案は三度目も否決された。その結果、4月12日までに英国はEUに今後の方針を示さなければならなくなった。残された選択肢は二つ。合意なき離脱か離脱の長期延期かだ。結局、英議会では何も決まらず、メイは解散総選挙を言い訳に離脱の長期延期をEUにお願いすることになると思う。それにしても、何故これ程までに拗れたのだろうか。一つはメイの交渉力の無さと頑固さだと思う。もう一つは、EUの融通の無さだと思う。EUのトップは、トゥスク大統領とユンケル欧州委員会委員長だが、交渉の裁量権は無い。EU首脳会議の全会一致の決定が無ければ、何も自由に発言出来ず、かつ、独自の方向性を示すことも出来ない。今更英国が修正案を提示してもトップは自らyesとは言えないのだ。だからメイがいくら譲歩しても折り合う点など端から存在しないのだ。EUは強固な官僚組織と言える。英国民は、自国の混乱に注視するだけでなく、EUの体質も見抜くべきだ。されば自ずから選択肢は決まるはずだ。