海洋清掃マシンの失敗

昨年このブログにも書いた太平洋の「プラごみの回収」は失敗したようだ。44億円の寄付金をつぎ込んで製作した海洋清掃マシン。全長600mのプラスチック製チューブに水深3mの網をぶら下げた構造でプラごみを回収する計画だった。過酷な海洋環境下でチューブが割れてしまったとのこと。失敗したためか、この計画の問題点が数々指摘されている。材質が海洋環境に合っていない。小さいプラスチック片は600mのチューブより速く移動するので原理的に捕集困難。上手く回収出来たとしても海洋生物を危険に晒す恐れがある。海面に浮かぶごみは海全体のごみの僅かな量に過ぎず、殆どは海底に沈んでいるから元々効果は期待出来ない、等々。どうやら、この計画は目的も手段も原理的に間違っていたようだ。海洋の掃除をするよりも、海洋に流出するプラごみを減らすことが本道のようだ。河川で回収してしまうこと。より厳しいリサイクル法を実施すること。プラスチックに替わる環境に優しいものを作り出すこと。やるべき事は多い。