米朝会議の顛末

トランプと金の第2回米朝会議は失敗に終わった。金正恩の落胆ぶりが顕著だ。北朝鮮を列車で出発し3日かけてベトナムに着いた。その間は異例に状況が華やかに報道され、金はご満悦の様子だった。ところがトランプとの会見後表情が一変した。これまでの報道から下記のように推測出来る。実務者レベルでは、平和締結のため、核施設の一部廃棄と経済制裁の一部緩和で合意していた。ところが米国ではトランプのロシア疑惑が再燃している。金はすかさずトランプの足下を見た。ロシア疑惑を打ち消すようなサプライズであればトランプは食いつくに違いないと。そこで金は、平和締結の条件を経済制裁の一部解除から全面解除に転換した。政治的な駆け引きならば、これで決着がつく。ところがトランプは政治家ではない。悪名高い商売人だ。損得が優先する。トランプは金の過剰な要求に対し、本能的に核とミサイルの全面廃棄を要求したに違いない。しかも、米国が知っている全ての北朝鮮軍事施設の場所を明言して。金は米国の情報力に圧倒されたに違いない。このままいけば丸裸だ。北朝鮮には帰るにも帰れない。会談後の2日間の滞在は、それを物語っているように見える。トランプと金の今後の対応が見物だ。