時代遅れのみずほ

この3連休は、みずほ銀行ATMの8回目の停止日だった。ATM停止の理由は、3行のシステム統合のため。富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行が合併したのが2000年だから、既に19年目を迎えた。19年目にしてやっと統合される。この間、顧客の不便さは無視し続けられた。銀行が客商売ではない証だろう。19年もかかったのは、各行の意地の張り合いだ。富士のシステムのベンダーはIBMが担当し、第一勧銀は富士通、興銀は日立だった。通常、システム統合をする場合はベンダーを1社に限定する。効率が良く間違いも減るからだ。ところが、19年目に出来上がったシステムは、キメラ状態だ。キメラとは、頭はライオンで、胴体はヤギ、毒蛇の尾を持つ神話上の動物のこと。1つのシステムを、IBMと富士通と日立が部分的に請け負った。正常に機能させること自体が奇跡に近いと言えそうだ。穿って考えれば、その奇跡を創造するために19年を費やしたのかもしれない。しかし、ITの進歩は速い。最早みずほの新システムは軍艦大和の体をなしている。バカでかいばかりでなく、巨額な維持費もかかる。無用の長物になりつつある。現在のITであれば、安上がりにフィンテックも可能だ。3行の合併自体は時代に即していたが、見栄と意地が足を引っ張り時代遅れになった。更にこれからは銀行業務はITが主体になる。みずほは退場ということだろう。