再生可能エネルギーの有効利用

アンモニアは肥料原料として使われるだけでなく、天然ガスに代わる電力用燃料としても注目されている。農作物を育てるには窒素を含む肥料が必須。窒素肥料が育てた食料は世界人口の半数を養っているという。アンモニアはハーバー・ボッシュ法で合成される。1906年に開発されたが、現在でもアンモニア合成の主流だ。まさに人類の基幹技術なのだ。しかし、猛烈に電力を使うのが欠点だ。ハーバー・ボッシュ法は世界の全消費エネルギーの2%も使っている。二酸化炭素排出量でも1%を占めている。ところが、豪州のモナッシュ大学の研究者が、アンモニアを「風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用して生産した電力を保存する燃料電池」として利用する方法を開発したとのこと。再生可能エネルギーの電気で、窒素ガスと水を反応させ、ガス化したアンモニアを発生させ、冷却して液状化させる。液体アンモニアは輸送も簡単で、液化天然ガスの代わりになるという。豪州政府は100億ドル規模の風力・太陽光発電施設を計画中とのこと。再生可能エネルギーは電力作りにムラが多い。この技術は、その欠点を見事に解消する優れた方法だと思う。二酸化炭素の排出も減るので言うこと無し。