「杜撰」の見本

杜撰とはこういうことを言うのだろうと思う。厚労省の統計不正問題の顛末だ。56の基幹統計のうち22に問題があった。この不正で約2千万人が雇用保険や労災保険などを560億円以上も過少給付されていたのだから重大な問題だ。更にアベノミクス官製春闘のため故意に数値を歪めたとも言われている。問題は山積している。統計を扱う人手が足りない。官僚には統計の簡易法の知識が無い。外部の専門家の助言を得れば出来るが、官僚は全て自前でやろうとする。問題点を明らかにするため第三者委員会が設けられたが、極めて杜撰。2ヶ月かかる作業を1週間で上げたやっつけ作業。しかも身内の官房長が調査側に入り公正さはゼロ。根本厚労相は記者会見で質問に答えられず「事務方に聞いて」の連発。諸悪の根源は政府が基幹統計を軽く見ているからだと思う。縦割り行政を廃止し、横断的な統計部を作り専門家を育成すれば解決する。一連の騒動は政府の不作為の結果と言えそうだ。