交通取り締まりの原点

僧衣で運転したことを理由に福井県警は僧侶を交通違反で捕まえたが、僧侶たちの猛反対に遭い違反を取り消したとのこと。福井県道路交通法施行細則には「運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと」の規定がある。取り締まり警官はとっさにブレーキをかけられず、シフトレバーなどに袖が引っかかる恐れがあると判断し、青切符を切ったという。ところが、僧侶が所属する浄土真宗本願寺派は「僧衣での運転が危ないなんて聞いたことがない。裁判になっても宗派として全面的にバックアップする」と猛反発。ツイッターでも「#僧衣でできるもん」のハッシュタグで、軽快に動けることが多く投稿された。各地の僧侶が反発したのは、男性が着ていた「布袍」が、身動きしやすい「略装」だったからとのこと。県警はそれに負けて取り消した。当の僧侶は、今後僧衣で運転してよいのか県警に尋ねたが明確な返答は無かったとのこと。僧侶はどうしたらよいものか困っているようだ。取り締まり警官が、細則の字面に拘らず、実際に運転に支障があるかを確認しておけば起きることは無かったはずだ。ネズミ取りも、安全の確保・向上よりも点数稼ぎ競争が優先されている。取り締まりは何のためにするのか、原点に返るべきだと思う。