ゲノム医療の時代

厚労省が、がんゲノム医療の医療提供体制を作ると発表した。がんゲノム医療とは、がん患者の遺伝情報から最適な抗がん剤を選び出す医療だ。効果が高まり副作用も少なくなることが期待されている。一部の検査は春にも保険適用される見込みとのこと。いよいよ、がんもゲノムで治す時代に突入したようだ。ところが問題も多い。一つは混合診療。ゲノム検査に保険を適用しても、治療法が混合診療ルールに抵触すれば、ゲノム検査も保険適用外になってしまう。そこで厚労省は例外として混合診療が認められる「患者申し出療養」の仕組みを使いやすくすると言うが、混合診療を解禁するのが本筋だと思う。もう一つは薬代。ゲノム検査は3割で済むが、薬代は全額負担。ゲノム検査で最適な治療法と示されそうなのは保険適用外の抗がん剤が大半とみられている。しかも高価だ。この壁は高くて厚い。2人に1人ががんになる時代というのに、がんゲノム医療は誰でも受けられる状況ではなさそうだ。広く行き渡るにはまだまだ時間がかかりそうだ。少し残念。