120歳から150歳に

正月だからお目出度い話を一つ。ヒトの最長寿命が120歳から150歳になるかもしれないという話。120歳説の根拠は曖昧だ。フランス人女性が122歳まで生きた事実に基づいているという。理論的な結論ではなく結果論なのだ。理論的には染色体の両端に付いているテロメアが分裂の度に短くなり、限度を超えると細胞の老化が始まり死に至ると言われている。ところが、老化を防ぐ研究が進んでいる。最近の研究で、老化を遅らせ、寿命を延ばす「長寿遺伝子」の存在が明らかになったとのこと。この遺伝子は誰もが持っている酵素だが普段は細胞の中で眠っている。この酵素が働き出せばテロメアの劣化が抑えられる。ポイントは、この酵素のスイッチを如何にオンにさせるかだ。一つは生活習慣。肥満を解消し、タバコをやめ、赤ワインを飲み、運動を積極的に行えばテロメアの長さを保つことが出来る。もう一つは米ワシントン大学の今井教授らが発見した酵素の働きを保つ生体物質NMN。マウスでの効果を確認し、ヒトでの研究を進めている。日経が若手研究者らに尋ねた結果「ヒトの寿命は150歳まで延びる」との答えが最も多かったとのこと。健康寿命が延びピンピンコロリとなれば皆が幸せになる。150歳は、もう、すぐそこまで来ているようだ。