生命とは何か

アメリカ地球物理学連合の総会で驚くべき研究成果が報告された。「地球の深部には、まるでガラパゴスのように様々な生命体が無数に存在し、その生物量(バイオマス)は全人類の約300倍相当する」ことを明らかにした。深度5キロメートル以上の鉱山や掘削孔から微生物をサンプル採取し、地下深部の生態系を調べたという。その結果、地下生物圏の大きさは、地球の海のおよそ2倍にあたる20億立方キロメートルで、炭素重量で換算すると約200億トンにのぼる。光がなく、熱や圧力にさらされ、栄養源も十分とはいえない地下の奥深くで生息する地下微生物は、一体どのように生命を維持しているのだろう。その解明が進めば、実は天体のあらゆる星には生命体が存在するという結論が得られるかもしれない。水、光、熱が生命体の三要素などという科学的常識の枠が外されようとしているようだ。生命とは何かが再び問われようとしている。