頑張れキャニコム、続けキャニコム

福岡のキャニコムという会社が面白い。まるで「下町ロケット」の佃製作所を彷彿とさせる。「下町ロケット」の佃製作所は大企業の帝国重工と無人農機の開発を競っている。現実の農機の世界ではクボタやヤンマーなどのガリバーが市場シェアの8割を握っている。その中でキャニコムは草刈り機を中心に年間8千台以上の農機具を販売し、右肩上がりで成長しているという。売上高は60億円を超えた。製品開発の出発点は、常に利用者のぼやきを聞くことだという。利用者の肉体的・精神的負担を減らす様々な工夫が農林業の従事者を中心に支持されている。佃とそっくりだ。キャニコムは、大企業が敬遠する狭い道や傾斜のある土地に適したニッチの分野に特化した製品に特徴があるという。物語の世界で佃製作所は王道で勝負しているが、現実の世界でキャニコムはニッチで勝負。これが物語と現実との差なのだろう。でも、キャニコムが佃を圧倒的に超えている。製品のネーミングだ。製品の名前が「草刈機まさお」「代表取締役社長 芝耕作」「ブッシュ(草むら)カッタージョージ」。クスっとさせる。しかも、痒い所に手が届く製品。少し高いが売れないはずがない。