地震学者にネジを巻く

昨日は防災の日だった。以前は9月1日に防災訓練が行われていたが、最近は8月の最終日曜日に行う市町村が多くなった。若い人は何故9月1日だったのかを知らないかもしれない。関東大震災が起きたのが95年前の大正12年9月1日11時58分。昼食の準備で火を使う家が多く、かつ日本海を北上する台風に吹き込む強風が関東地方に吹き込んだため大火になり、多くの人が焼死した。でも、まだ正確な地震計すら存在していなかった時代に関東大震災を予知していた人物がいる。現代の地震学を作った大森博士だ。大森博士は、地震が多発する地域と、地震周期と、地震空白域を基に予知したという。発生時期までは予知出来なかったが、チリ地震も関東大震災も予知して的中させた。地震計も重力加速度による震度階級も大森博士によるものというから、まさに地震学の父なのだ。その後は博士に批判的な学派が主流になり、大森博士の功績は葬り去られてしまったようだ。地震学会は、地震は予知出来るとして東海地震に取り組んでいたが、東日本大震災を予知出来なかった。これを契機に学会は地震の予知は出来ないものだと後退してしまった。地震学者が自信を無くしてしまった。寂しい駄洒落だ。大雑把に言うと、この100年間地震予知技術は全く進歩していないということだ。しかし、東南海地震は近づきつつある。今こそ地震予知研究の立て直しを図るべき時だと思う。