怖い笑い話

先日安倍総裁が鹿児島で党総裁選への立候補をやっと正式に表明した。地方での出馬表明は異例。鹿児島を選んだのには理由がありそうだ。反安倍に傾いていた石原派を安倍支持にまとめた鹿児島出身の森山国対委員長への返礼と、反安倍の尾辻元参院副議長への票の取り崩しだろう。更に大河ドラマ「西郷どん」人気に便乗したいがためのスケベ根性に違いない。安倍は明治維新の契機となった「薩長同盟」を強調した。安倍はヨイショのつもりで幕末の志士の和歌「我が胸の燃ゆる思ひにくらぶれば煙はうすし桜島山」を詠んだ。だがこの歌は、福岡藩士が薩摩藩に攘夷活動を拒まれたために薩摩への失望を込めて詠んだと言われている。勿論自分はその背景など知らなかったが、地元の鹿児島県民は重々承知だ。期せずして失笑が漏れたという。安倍首相の明治維新に対する思い入れの深さは有名だが、勉強不足の誹りは免れない。安倍は歴代首相の中でも「信頼出来ない人物」としてトップクラスにいる。鹿児島訪問で更に無教養さが加わった。安倍は法学部卒でありながら憲法学の権威である芦部東大名誉教授の名前すら知らなかったという。憲法も知らない人物が憲法改正に突っ走る。これほど怖い笑い話は無い。