正義が機能しない政権

森友学園への国有地売却に関して、大阪特捜部は佐川前国税庁長官らの公文書改ざん問題を不起訴とする方針を固めたとか。一方、篭池夫妻は詐欺罪などで逮捕され、もう10か月も拘置所に拘束されている。証拠隠滅の恐れも無いのに10か月とは長過ぎる。何ともはや、官僚と民間人の取り扱いのバランスがおかしい。でも、安倍政権が検察をコントロールしているのだと推測すると納得がいく。佐川は無罪放免になったのだから、マスコミはこれ以上追求しずらくなる。篭池の口は高い塀で封じている。この他にも政権擁護のため、恣意的な検察行為が行われていると思われる事例は多い。甘利元経済再生相の斡旋利得事件では何故か家宅捜査もなしに不起訴になった。元凶は政権による法務省人事への介入だと思う。安倍政権以前は政権が人事をねじ曲げることなどは無かった。ところが、内閣府に人事権が移り、政権擁護に都合の良い人事が行われるようになった。黒川事務次官の就任が典型例だ。政権の非を正すはずの検察が、政権から火の粉を振り払う立場に変質してしまった。このままでは正義が機能しない。日本が壊れてしまう。昔、田中角栄はロッキード事件で検察に検挙された。あの時代は正常だったのかもしれない。