ここが変だよ、就活ルール

経団連の就活ルールが形骸化している。今年のルールでは面接解禁は6月1日からだが、4月末時点で内定率が4割を超えているという。売り手市場とは言え、経団連企業でもルール違反して内定を出しているのだから、一体何のための就活ルールなのか分からない。元々統一ルールが設けられたのは、大企業の採用・教育活動の効率化が目的だ。それでは一方的過ぎるから、学生の就活の負担を軽減するためだと、目的が後付されてきた経緯がある。でも、最近ではインターンや通年採用など国際標準に近い手法を採る企業が増えていて実態と乖離している。特にAI技術者の争奪が激しい。最早就活ルールなど撤廃した方が良い。日本企業の人材採用の考え方は相当歪んでいる。新卒とは卒業予定者のみ。かなり膨らませても前年度卒業生までだ。一方中途採用は30歳以上が対象。新卒時に就活に失敗した人はフリーターとなり、一生新卒としては採用されない運命が下される。人材不足と言いながら、この層は見向きもされない不思議な文化だ。だが、やっと新卒の年齢制限を緩和する企業が現れつつあるという。損害保険ジャパン日本興亜やリクルートが30歳以下まで新卒として採用する方針を打ち出した。これが蟻の一穴になると良い。経団連会長も5月末に榊原から中西に代わる。榊原のように政権の言いなりにならずに、新会長には従来文化を打破する活躍を期待したいものだと思う。