北の豹変と行方

北が豹変し宥和政策に転換した。韓国系米国人3人を解放し、来週中にも核実験場を廃棄すると発表した。北は米英中ロ韓の国際記者団に取材を認めたが日本は除外された。日本では米国人が解放されたのだから日本の拉致被害者もとの声が上がっている。北が宥和政策に乗り出した今日本は如何に対処すべきかを考えてみた。それを考えるには、まず北の立場になって考えることがヒントになると思う。人質解放に関して、米国人の拘束理由は北でのスパイという犯罪行為だから人質解放は宥和政策の賜物として米国へのプレゼントになるが、日本人の拉致は北の犯罪を再度認めることになるので解放はしないと考えるのが自然だ。事実北朝鮮は「拉致は解決済み」と公言している。だが、日本は粘り強く交渉するしかない。北が拉致問題解決に前向きではないということは、改心していない証明でもあると認識すべきだろう。その延長線上で考えれば、完全な非核化は望みようもない。核実験場を廃棄しても、いつの日か隠してあった核をちらつかせるのが目に見えている。米国が北の現体制の維持を認めて、北が韓国の援助を受けて経済が好転しても、今度は虐げられてきた国民が黙っていないだろう。日本は北の人権問題を指摘し続けるべきだ。それが恒久的に真の平和に繋がる道だと思う。