畏るべし日本の数学者

数学の超難問「ABC予想」が、日本人によって証明される見通しになったとのこと。今世紀の数学史上、最大級の業績になるようだ。論文は数年前に京都大望月教授が自身のHPに発表した。独創的で難解なため、当初は論文を理解できる数学者がほとんどいなかったが、国際的な数学の専門誌Publications of the Research Institute for Mathematical Scienceに掲載される見通しになり、証明が正しいことが認知されたようだ。数学のノーベル賞といわれる「フィールズ賞」が与えられた過去の業績に匹敵するという。「ABC予想」とは、整数に関する数学的予想の一つで、1985年に、D・マッサーとJ・オステルレにより提示された整数論の未解決問題。1以外に同じ約数を持たない正の整数a、bでa+b=cの時、c<K・(rad(abc))^(1+ε)が常に成り立つという予想。内容は全く理解出来ないが、論文は600頁に及ぶというから、その難しさを窺うことは出来る。望月教授は1969年生まれの48歳。16歳で米・プリンストン大学に入学後、19歳で数学科を卒業。23歳で博士号を取得。32歳で京大教授に就任というから、人並み外れた頭脳の持ち主であることは間違いない。畏るべし日本の数学者。