今年の漢字

恒例の「今年の漢字」が「北」に決まった。「北」朝鮮、「北」九州の記録的豪雨、「北」海道日本ハムの大谷選手のMLB移籍や早実清宮の入団、競馬界の「キタ」サンブラックが根拠だという。「今年の漢字」も少しショボくなってきたと思う。それに追い打ちをかけるのが、安倍首相だ。今年は「挑」だと言う。「少子高齢化や北朝鮮の脅威に触れ、国難に挑むために衆院選に挑んだ年だった」と語っている。だが、そうではないでしょ。数ヶ月間も国会を空白にして「逃」げまくった年だった。元来、首相は漢字もお腹も弱い。多分、テヘンとシンニョウを間違えたに違いない。首相の今年の一語とは所詮その程度のことだと思う。一方「今年の漢字」を発案した殿村美樹さんは、時代の変遷を見る目が凄い。「今年の漢字」が生まれたのは22年前。勿論殿村さんが、当時漢字検定の受検者を増やしたいと思ったことがきっかけとのこと。細かいことは端折るが、殿村さんの見識は下記の通り。要は思いは発信力と共に変わっていく。大昔は和歌、それが川柳になり、漢字一字になり、メールの絵文字になり、LINEのスタンプになり、そしてインスタグラムの写真になったのだと言う。相当納得する。でも完全に納得した訳ではない。世の中はそんなに簡素化一方になるはずがない。プレバトの俳句人気が、頭を使って表現力を競う楽しさを証明している。