後世に受け継ぐ鶏むね肉

今年の世相を最も反映する食を選ぶ「今年の一皿」に「鶏むね肉」が選ばれた。コンビニやスーパーではサラダチキンとして人気があるようだ。少し前は、鶏むね肉はパサついて美味しくないと人気が無かった。値段ももも肉よりも安かった。爆発的なヒットのきっかけは、皮を剥いだこととのこと。鶏皮を取り除くと美味しさが失われるというのが業界の常識。だが皮付きよりも4割のカロリーカットに成功。低カロリー・高たんぱくで脂質や糖質が少ないことが、健康志向の高まりとともに需要を拡大させたようだ。更にパサつきは、塩麹や真空低温調理などの技術により、しっとり感のあるものに改良された。我が家でも友人に教えて貰ってハムのようにしっとりとしたむね肉がテーブルに並ぶようになった。むね肉に砂糖と塩をまぶし一晩置くだけで作ることが出来る。「今年の一皿」の選考基準は、その年流行または話題になったこと、その年の社会の動きと関係が深く世相を反映していること、食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることの3条件を満たすこと。今年のむね肉は、一過性の流行りではなく、食文化として後世に受け継ぐ価値があると思う。