「忖度」の使い分け

今年の流行語大賞が発表された。年間大賞には「忖度」と「インスタ映え」が選ばれた。今年は、森友・加計問題で明け暮れたから「忖度」が受賞するのも頷ける。「忖度」とは本来「他人の気持ちを推し量ること」という意味で日本文化を表す微笑ましい行為だった。だが、今は意味が違っている。「忖度」は「無言の圧力を受けて相手の意向を実行すること」とか「権力者から過大評価を受けるためのおべっか行為」に変質している。大賞受賞の最大の関心事は誰が受賞者かだ。忖度をした人、させた人、受けた人も対象だろう。とすると、森友の篭池、国有地を破格の大安売りをした佐川元財務省理財局長、安倍夫妻、加計、内閣府の面々らがベストセレクトだ。しかし、残念ながら期待に反して「忖度まんじゅう」を販売した会社社長が選ばれた。詰まらない、洒落にもならない選考だったと思う。自分は、佐川元局長を選ぶべきだっと思う。佐川は、その後国税庁長官に出世した。税金を無駄使いした張本人が、国民から税金を取り立てる責任者になったのだ。しかも、恒例の就任会見を行わず、部屋に隠ったまま未だに出て来ない。このままでは国税庁も税金の徴収に苦労するに違いない。佐川に公の場へ顔を出すチャンスを与えるべきだった。もっとも、相手が佐川だけに、選考側も忖度してしまったのかもしれない。