隣の庭の借景が住宅に

相続税対策のためなのか、近所の数百坪の邸宅が消えつつある。我が家の隣も3百坪の土地が6区画に分割され戸建て住宅が建築され始めた。今までは隣の庭を借景として楽しんでいたが、住宅が眼前に迫ってきた。2階の書斎の窓から毎日見えるので建築の様子が良く分かる。ハウスメーカーは伊藤忠のイトーピアホーム。基礎工事は2人で大工は1人と人手が少ないことに驚いた。大工が1人で床を作り、平らな床の上で壁のパーツを作り、それを1人で立てかけて壁が出来る。1階の壁が出来ると2階の床を張り、1階と同じように2階の壁を作り、最後は屋根を完成させる。大工の仕事は、殆どがパーツの組み合わせと釘打ちで、ノコギリ作業は殆ど無い。木材の接合は全てが釘。釘打ち機で打ちまくる。途方も無いほど釘が使われる。釘の塊の家だ。一見地震に弱そうに見える。釘打ちだけで強度に問題は無いのか心配になった。調べてみるとツーバイフォーという工法だ。ツーバイフォーは壁で強度を持たすため地震に強く密閉性も良い。工法が標準化されているので、大工の技量に影響されずに、品質が安定した家を作ることが出来るなどのメリットがある。反面、壁に大きな開口部を設けにくく、増改築の自由度は低いのがデメリットとのこと。会社にいた頃、仕事の関係で住宅の勉強をしたことがあり、木造軸組工法、鉄骨軸組工法、プレハブ工法などの単語が懐かしく思い出される。ツーバイフォーという言葉も知っていたが、現物の工程を見るのは初めて。百聞は一見にしかず。机上の勉強だけでは、物の役に立たないことを実感した次第。