知らなかった元素の由来

重い元素の生成が中性子星の合体によるものであることが解明され、今まで考えても見なかった化学の一面を思い知らされた。今まで化学はまず元素ありきで考えていた。その元素が如何にして生成されたのかなど一度も考えたことが無かったからだ。高校入学当時最も成績が悪かったのが化学だったが、卒業時は最も成績の良いのが化学になった。当時洋服屋さんになりたかったが、取り敢えず大学で化学を勉強することにした。初志貫徹していれば、文化服装学院で学んで今頃はデザイナーになっていたかもしれない。大学時代から現在に至るまで「物事の本質とは何か」を考えている。人生の本質も考えていたから、他人からは新興宗教の教祖の雰囲気がすると言われたものだ。大学では、本質を追求するため物理化学を専攻した。それに嵌まって就職先も化学会社を選んだ。元素の組み合わせや反応を利用して新商品を創り出す仕事が面白かった。まさに元素ありきの人生だった。今回、元素の生成の歴史を初めて知った。誕生直後の宇宙には水素やヘリウムなどの軽い元素しか無かった。その後、恒星内部の核融合反応で、炭素や酸素、鉄までの元素が作られた。鉄より重い元素はブラックホールや中性子星の合体で生じるものと考えられていた。今まさに、中性子星の合体により、大半の金やプラチナなどの重い元素が生成されたことが観測されたのだ。絶え間ない真理の探究は、革新的な未来を拓くに違いない。