下には下がいるものだ

上には上があるものだ。いや、下には下がいるものだ。東洋ゴム以下の会社があった。神戸製鋼だ。2度あることは3度ある。3度あることは4度ある、とまで言われた東洋ゴム。免震ゴムに続き防振ゴムのデータ改ざんが明るみに出て、再発防止策が打たれたが、その下でも改ざんが行われた。救いようのない会社だ。でも不祥事は全て同じ工場からだった。一方神戸製鋼は聞くに堪えない。まずアルミ地金のデータ改ざんが明らかになり、その後出るわ出るわの大騒ぎ。主力製品である線材などの鉄鋼事業でも不正があきらかになり9製品に及ぶという。神戸製鋼の事業は縦割りだが、殆どの事業で不正が行われていた。取締役会で把握しながら今まで公表せずに隠していた。グループ会社での不正も判明し、中国やタイなど海外拠点で生産した製品でもデータ改ざんや未検査出荷もあったという。これほど改ざん一色の会社も珍しい。何故こうなったのか理解に苦しむ。社訓には「KOBELCOの3つの約束 神戸製鋼グループの社会に対する約束事であり、グループで共有する価値観。1.信頼される技術、製品、サービスを提供します。2.社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます。3.たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します。」とある。この社訓をジッと眺めていると見えてくるものがある。社訓はお約束事を最も大事にしている。客との約束を守るために、不良品でもデータを改ざんし、スペック通りのデータを添えて出荷する。グループの和を尊ぶゆえに、全社一丸となって改ざんに走る。社訓を「絶対改ざんしない」と改めれば、不正は無くなるかもしれない。そんな訳は無いほど、根が深そうだ。