政治生命をかけた冒険とは

田原総一朗が、内閣支持率をV字回復させる秘策として安倍総理に進言したという「政治生命をかけた冒険」の中身とは一体何かと色々取り沙汰されている。田原本人は黙秘しているが、マスコミには幾つかのヒントを与えた。「解散や連立ではない。民進党も共産党も小沢も反対しないが、自民には反対する人がいる。安倍総理にしか出来ない。今やるべき。総理の進退ではない」。ヒントが多いようで多くはない。一部のマスコミでは、北朝鮮を訪問しトランプと金との橋渡しを行いノーベル平和賞受賞と拉致問題解決と報道しているが、V字回復させるほどのインパクトは無いし、水物過ぎる。そこで自分なりに秘策を考えてみた。今や多くの国民が原発ゼロを望んでいる。原発ゼロと核拡散防止条約に参加となればインパクトはある。だが、官僚も経団連も猛反対して潰しにかかるはず。総理の決断で上手くいく案件とは言い難い。夫人との離婚。夫人が奔放なだけで総理を牛耳っている訳ではない。離婚してもトカゲの尻尾切りに過ぎない。そこで思いついたのが消費税減税だ。アベノミクスで戦後3番目に長い景気回復を達成し、株価も倍になり、経済指標上では一応良好な成果をあげてきた。だが、その恩恵は殆どの国民には行き渡っていない。一般庶民は未だにデフレの世界に取り残されている。国民にとって消費減税は効果抜群のはず。問題は猛反対する財務省と欠乏する社会福祉費の手当て。アベノミクスはリフレ派の政策で、消費増税はリフレ派の考えとは矛盾している。減税は論理的には筋が通っているが、単に消費税減税すると言えば潰されるだけ。でも歳出に大ナタを振るうことが出来れば減税は可能になる。もし、消費税減税であるならば、安倍は大ナタの具体策を練っているはずだ。田原の言う政治生命をかけた冒険とは、消費税増税を約束した安倍がその約束を翻すことと、大ナタの具体策の実行だと思う。田原の進言が実現しようがしまいが、そのうち内容は明らかになるはずだ。一種の楽しみでもある。