共謀罪の予行演習

前川前事務次官が、加計学園問題の「総理のご意向」文書の存在を証言してから、事態は展開し始めた。当初菅官房長官は「怪文書のたぐい」と高を括り、松野文科相は「文書の存在が確認は出来ない」とお茶を濁していたが、とうとう尻に火が付いてきた。政府は突如読売新聞に「前川の出会い系バー通い」を報道させ、前川退場を目論んだが空振りに終わった。その後前川は次々と内情を暴露。和泉首相補佐官が「総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う」との趣旨の発言や、木曽前内閣官房参与からの加計承認の催促があったこと。間違いなく安倍の指示によると見るのが妥当だ。これに対し政府は、前川の逮捕による口封じを検討中とのこと。公務員時代に知り得た情報を外部に漏らした国家公務員法違反、文書を外部に持ち出した窃盗、青少年保護育成条例違反等々。最早何でもござれだ。今国会で審議中の共謀罪が成立すると、まさにこれと同じような拡大解釈が起こり政府が暴走するのは間違いない。背筋がぞっとする。言い方を変えると、加計問題に対する政府のやり方は、共謀罪の予行演習のようなものとも言える。取り敢えず参院で廃案にするのがベストの選択だと思う。加計問題を受け民進党は、何と国家戦略特区廃止法案を提出するという。何とも頓珍漢な対応だと思う。岩盤規制緩和を目指す国家戦略特区と加計問題は全く無関係だ。規制緩和という錦の御旗の元で、首相の私的で恣意的な事案が進められたに過ぎない。民進党は首相の私的で恣意的な部分を追求すべきだと思う。