カテゴリ:201705



31日 5月 2017
前川前事務次官が、加計学園問題の「総理のご意向」文書の存在を証言してから、事態は展開し始めた。当初菅官房長官は「怪文書のたぐい」と高を括り、松野文科相は「文書の存在が確認は出来ない」とお茶を濁していたが、とうとう尻に火が付いてきた。政府は突如読売新聞に「前川の出会い系バー通い」を報道させ、前川退場を目論んだが空振りに終わった。その後前川は次々と内情を暴露。和泉首相補佐官が「総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う」との趣旨の発言や、木曽前内閣官房参与からの加計承認の催促があったこと。間違いなく安倍の指示によると見るのが妥当だ。これに対し政府は、前川の逮捕による口封じを検討中とのこと。公務員時代に知り得た情報を外部に漏らした国家公務員法違反、文書を外部に持ち出した窃盗、青少年保護育成条例違反等々。最早何でもござれだ。今国会で審議中の共謀罪が成立すると、まさにこれと同じような拡大解釈が起こり政府が暴走するのは間違いない。背筋がぞっとする。言い方を変えると、加計問題に対する政府のやり方は、共謀罪の予行演習のようなものとも言える。取り敢えず参院で廃案にするのがベストの選択だと思う。加計問題を受け民進党は、何と国家戦略特区廃止法案を提出するという。何とも頓珍漢な対応だと思う。岩盤規制緩和を目指す国家戦略特区と加計問題は全く無関係だ。規制緩和という錦の御旗の元で、首相の私的で恣意的な事案が進められたに過ぎない。民進党は首相の私的で恣意的な部分を追求すべきだと思う。
30日 5月 2017
囲碁でコンピュータが人に勝つのは、10年以上先のことというのがつい最近までの囲碁界の認識だった。ところが、グーグルのAIアルファ碁が中国の世界最強棋士との三番勝負で3連勝を果たした。囲碁は将棋やチェスに比べて手順が長い。変化の数は、チェスが10の120乗、将棋が10の220乗に対し、囲碁は10の360乗。将棋に較べて140桁も多くの変化があるということだ。囲碁の変化は無限大といえる。IBMのディープブルーがチェス世界チャンピオンに勝ったのが1997年。将棋ソフトponanzaが現役プロ棋士に平手で勝ったのが2013年。そして4年後の今年グーグルのアルファ碁が囲碁で世界一になった。AIが進化すると、将来AIが人間を支配するのではないかとか、AIが暴走したらどうするのかと懸念する人は多い。アルファ碁を開発したグーグル傘下のベンチャー企業CEOは「人間との対局はこれが最後になる」とアルファ碁の引退を宣言し、更に「この勝負はAIの勝ちではなく、人間の勝利だ。AIはあくまで人間が使う道具であり、これまで見通せなかった領域に人間を導いてくれるハッブル宇宙望遠鏡のような道具となるのだ」と語ったとのこと。アルファ碁で培ったソフト開発は、既に医療やエネルギー分野への応用に軸足を移し成果を上げ始めている。頗る頼もしい。未来の人間は、人間にしか出来ない仕事をして、人間であることを謳歌することになるのだろうと信じたい。
29日 5月 2017
企業や消費者の契約ルールが民法制定以来120年ぶりに抜本改正されることになった。改正は約200項目に上り、2020年を目途に施行されるという。インターネット取引の普及などの時代の変化に対応し、消費者保護に重点を置いたのが特徴とのこと。未払い金の消滅時効が5年に統一される。現在の消滅時効は原則10年。但し、飲食代は1年などと業種ごとにバラバラだった。法定利率は年5%で固定されていたが、年3%に引き下げ3年ごとに見直す変動制になる。連帯保証人になるには、公証人による意思確認が必要になる。知り合いの誼みで軽い気持ちで判を突き、先祖伝来の土地を手放さざるを得なかった人を知っている。自分は社会人になった頃、父から連帯保証人の判は絶対突くなと言われたことがある。事の重大さを考えると、公証人による意思確認は重要で価値があると思う。民法に規定が無かった約款が新設された。消費者に一方的に不利な条項は無効になる。今までどれ程多くの人が、不利な条項に泣いた事だろうか。それにしても120年ぶりの改正とは、余りにも悠長な取り組み方だと思う。インターネット時代に対応してとの触れ込みだが、実態はインターネット以前にやっと追いつこうとしている。民法改正はまだまだ遅れている。
28日 5月 2017
自分は本来化学屋だから「リトマス試験紙」という活字には敏感に反応するようだ。リトマス試験紙とは、酸とアルカリの度合いを調べる試験紙だ。酸性の液に浸けると赤くなり、アルカリに浸けると青くなる。高校時代の化学の勉強は、実験よりも暗記が多かった。目で見て覚えるよりも、女性の○○さん(酸)を見たら赤くなる、と覚えたものだ。そのリトマス試験紙が現代社会現象にも使われているとニュースには驚いた。あの「とんねるず」がフジテレビのリトマス試験紙とのこと。視聴率低迷のリトマス試験紙になるという。30年間もフジテレビに君臨した日枝会長が、代表権のない取締役相談役に退くことになった。日枝は大のとんねるずフアン。局長時代に「夕やけニャンニャン」が大ブレーク。社長時代に「みなさんのおかげです」で高視聴率を弾き出した。以来、とんねるずの番組は「日枝物件」と呼ばれている。でも最近は視聴率が低迷している。だから、日枝が代表を外れた今、とんねるず番組が継続するのか否かがリトマス試験紙と言われている。低迷久しい「みなさんのおかげでした」の打ち切りが発表されれば、本当に日枝氏の院政はないことが分かるという訳だ。上手いこと言うものだと思う。リトマス試験紙の効果は分かったが、フジテレビの色は何色になるのだろうか。ただ、自分は「みなさんのおかげでした」は面白い番組だと思うが、最近のとんねるずは好きではない。さて、自分は何色に染まるのだろうか。
27日 5月 2017
金属を得るには、東京五輪の携帯電話などの都市鉱山から回収するより、もっと壮大な計画があるようだ。それがNASAディスカバリー計画の一つ、プシケ計画だ。火星と木星の間には小惑星帯があり太陽を中心に公転している。その小惑星帯の中の小さな惑星がプシケ。そのプシケを捕まえて地球に持ってこようとする計画らしい。何故なら、プシケは殆ど金属から出来ている宇宙に浮かぶ鉱山と言えるから。学術的には、原始惑星の核がむき出しになったものだと考えられている。プシケの直径は約200km、主成分は鉄でニッケルを含み磁石材料そのもの。勿論NASAは、宇宙誕生の研究対象としてプシケを捉えているのだろうが、考えようによっては、鉱山開発の一つとも言えるのが夢だ。プシケは巨大な磁石と考えられている。その成り立ちは巨大な衝突かもしれない。衝突後の冷却過程で構造が決まるから、構造を調べれば逆に宇宙の成り立ちが推測出来るかもという次第。そのプシケを地球に持ってくるというのはマユツバだろうが、宇宙誕生解明に繋がるかもしれない。NASAはスペースシャトル計画後死んでしまったと思っていたが、どっこいしぶとく生きているようだ。
26日 5月 2017
東京五輪のメダルを、携帯電話をリサイクルした金属から作る取り組みがスタートして3か月が過ぎた。「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」と呼ぶ。回収した携帯電話は3万個。用意すべきメダルは5000個で、携帯電話が2000万個必要とのこと。アイデアは面白いが、回収に手間取っているようにも見える。案内には、回収品目・回収方法等は各自治体によって異なりますと書いてある。不親切だ。誰でも自治体に確認してまで提供しようとは思わない。今どき、誰しも使わなくなった携帯電話を数個は持っているはずだ。運動を盛り上げ、回収方法を手近なものにして、かつ情報が絶対漏れないようにすれば、目標は達成出来るに違いない。アイデア倒れにならないためには、何事も提供する相手の身になって、回収方法を構築することが何よりも大切だと思う。これとは別の話だが、化学者から見ても、ウッソーと言わざるを得ない程の事実が見つかったようだ。一言で言えば金塊を生み出す微生物。オーストラリアの研究チームが発表した。金が含まれた鉱石から金を溶かし出し、純金の小さな金塊へと濃縮することが出来る微生物を発見したとのこと。この微生物を使えば、金の採掘や電子機器のリサイクルなどを効率化できる可能性がありそうだ。もっとも東京五輪には間に合いそうも無い。今は只、メダルプロジェクトは携帯電話の回収に汗をかくしかなさそうだ。
25日 5月 2017
舞台は森友学園から加計学園に移った。国家戦略特区を利用して加計学園が今治市に岡山理科大獣医学部を新設することが承認された。37億円の土地は今治市が無償提供。建設費192億円の半額96億円を今治市と愛媛県が負担する。加計は総理のポン友。至れり尽くせりだ。ところが「総理のご意向」なる文書が発覚。内閣府が文科省に無理矢理新設を迫った証拠と見られるが、政府はその存在を否定。だが前川前事務次官がその文書が存在すると明言。しかも「行政がゆがめられた」と発言した。内閣府は前川発言の否定に躍起だ。翌日読売新聞に前川の出会い系バー通いを暴露して、抹殺しようとした。だが前川は動じない。更なる隠し球を持っているようだ。話はこれから佳境に入りそうだ。ここで舞台を右席から見てみよう。安倍はポン友加計を優遇し獣医学部新設を指示。国家戦略特区はトップダウンだから、内閣府は加計学園の新設が承認されるように条件を設定。そして文科省を説き伏せた。ところが「総理のご意向」文書の存在が発覚。前川潰しのため読売に暴露記事掲載を指示。まるで悪代官に立ち向かうように、政府が悪人で、前川が善人の構図になっている。だが、舞台を左席から眺めると違う構図が見えてくる。国家戦略特区は岩盤規制を打ち破るために創設された。抵抗勢力は各省の官僚たち。獣医学部の新設は、農水省・文科省の官僚と利権政治家により阻止されている。規制改革を押し進める内閣府対岩盤規制死守の利権族との戦いだ。そう考えると内閣府側にも利があるように見える。だが、国家戦略特区とは、お試し特区。試して成功すれば横に広げていこうという案件が対象になる。でも、たとえ成功しても獣医学部が各地に広がるはずがない。従って、元々国家戦略特区に獣医学部を取り上げること自体が無理筋だったし、ポン友という落ちまで付いてしまった。結局AB劇場の第三幕は、原作も脚色も失敗していたということだろう。
24日 5月 2017
4月中旬の日経に、ローソン玉塚会長が5月末の株主総会をもって電撃辞任するとの記事が載っていた。経営は順調のはず、これからというのに変な感じがした。新聞には辞任する事情など一切何も書かれていなかった。ローソンは三菱商事の株式公開買い付けにより2月に商事の子会社になった。三菱商事自身が本腰を入れて経営に乗り出すため、会長の首をすげ替えたのかと思った。後日、本人の口から辞任の理由の説明があった。「コンビニはスピードが大事。二頭体制は良くない。三菱商事出身の竹増社長に一本化し意思決定をシンプルにする方が良い。自分には新しいチャレンジに向けて頑張っていきたいという我が儘もあった」と述べた。そして、5月中旬に東証1部上場のIT企業ハーツユナイテッドグループの社長に就くことが発表された。「今度の会社はローソンより小さいが、成長率は桁違いに大きいのでやり甲斐がある」と抱負を語っていた。これまでの経過を見ると、玉塚本人がローソンを放り出してIT企業を希望していたように新聞報道されていたし、受け取られていた。ところがである。一部の情報誌によると、玉塚辞任はM資金詐欺に引っかかったためとのこと。M資金とは、終戦直後GHQのマッカーサー元帥が日本軍なっどから押収した資金を、戦後復興のため超低利融資したことからそう呼ばれている。M資金など現在は存在していない。M資金は玉塚に5兆円を貸すのではなく譲渡すると申し出。玉塚はそれを受けて確約書と個人情報を提出。勿論詐欺だから玉塚に5兆円が渡る訳が無い。M資金は、玉塚から得た個人情報を元に新たな詐欺を働くことになる。三菱商事から見れば、現実離れした詐欺に易々と引っかかるような経営者など信用出来ないのも当然だろう。玉塚は5兆円でローソンを買い取りオーナーになろうとしたのかもしれない。であれば、三菱が電撃解任させたことが腑に落ちる。玉塚という人物は信用が置けない。しかし、未だに新聞にはM資金詐欺などの記事は無い。新聞は事実を報道することが使命であると思っていたのだが。
23日 5月 2017
昨日のブログの出来が悪かったので、再び共謀罪について書くことにした。今日共謀罪が衆院で可決され参院に送られた。審議の論点は、国際テロ防止とプライバシー権のせめぎ合い。国際組織犯罪防止条約を締結するためには、共謀罪の成立が必須条件。一方、共謀罪原案は、定義が曖昧で適用範囲も広く、将来恣意的に運用される恐れが充分にある。戦前戦中時代の過去の政府を考えると、余りにもリスクが大きい。政府は、間違いなくテロ防止を隠れ蓑に犯罪捜査権の拡大を図っている。片や野党は、嘗ての共産党のような赤狩りを危惧している。共謀罪の本質はテロ防止にあるが、政争はプライバシー権の表に立つか裏に立つかで分かれているのが実情だろう。だが、国会では未だに、民進は国連のカナタチ氏書簡をネタに国連から逆に異論を突きつけられていると主張し、一方政府は、カナタチ氏は個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場ではないと反論している。肝心のプライバシー権に関する議論が、カナタチ氏を国連の傘と見なすのか、見なさないかの議論に変質してしまった。何をか言わんやだ。最早これまで。野党に残されている道は無い。だが法案は成立する。でも、成立の無責任さは政府と野党に有るのは間違いない。結局、被害者は国民になることになる。ムカッ!。
22日 5月 2017
共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、明日衆院で可決される見通しになった。政府は、テロ防止のため国際組織犯罪防止条約を締結するために必要な法律だと主張している。現在この条約に187カ国が締結し国際犯罪への対応を協力している。共謀罪は国際犯罪に対処するには必要な法律であることは間違いない。だが、一方野党は、既にハイジャックや化学兵器の使用などには犯行の前の段階を罰する予備罪もあり、わざわざ法改正しなくても条約は締結できると主張している。仮に共謀罪が成立してもテロ対策に役立ちかには疑問がある。更に恣意的に運用されることにより一般人も対象になると反対している。要するに議論が噛み合わないのだ。互いに思っていることを主張するだけで、子供の喧嘩だ。特定の国の人権状況などを調査・監視・公表する国連特別報告者で「プライバシー権」担当のジョセフ・カナタチ氏が、懸念を表明する書簡を安倍首相に送った。カナタチ氏の指摘は以下の通り。法案中の計画や準備行為が抽象的で恣意的な適用の恐れがある。対象となる犯罪の幅が広過ぎる。どんな行為が処罰の対象となるのか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題がある。プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある。法案の成立を急いでいるため、十分に公の議論がされておらず、人権に有害な影響を及ぼす危険性がある、と。だが、それへの回答は菅官房長官のカナタチ氏への強い抗議。カナタチ氏は「抗議は怒りの言葉が並べられているだけで、指摘に対する中身が全くない」と反論。更に「日本政府は実質的な反論をしてこない。これだけ拙速に、深刻な欠陥のある法案を押し通すことは絶対に正当化できない」と指摘した。もし野党にカナタチ氏がいれば、共謀罪はすっきりとしたスリムな法律になっていたに違いない。

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