政治私物化の可視化

森友学園に続き加計学園が騒がれている。何れも安倍首相が絡んでいる。安倍内閣になり、岩盤規制を打ち破るため国家戦略特別区域諮問会議が設けられた。議長は内閣総理大臣。小泉政権時の「構造改革特区」とは異なり、諮問会議に権限が集中する仕組みになっている。言い方を変えれば、認定を与える総理大臣による独裁と縁故主義が可能。加計学園理事長は安倍の友人。その加計学園に岡山理科大学獣医学部の新設を認可した。しかも36億億円の公有地が無償譲渡された。更に超スピードで開校出来るよう内閣府から文科省に圧力を掛けた。新設に後ろ向きな文科省に対し「これは総理のご意向だ」という文書付きだ。その文書が実在するのかが問題になっている。松野文科相は関係責任者に簡単な聞き取り調査を行い、PCの「国家戦略特区」の共有ファイルを確認しただけで「文書の存在は確認できなかった」とする調査結果を発表した。しかも、文書に書かれた内容の真偽については「文科省に捜査する能力はない」と明言を避けた。松野文科相が真相解明に至らないまま幕引きを図ったのは、文科省の天下り問題の責任との引き換えとも思えてならない。もっとも安倍一強には逆らえないだけかもしれない。少なくとも、これらの学園問題は、安倍政権による政治の私物化を可視化したものだと思う。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。