ホワイトさがブラック化を

ヤマト急便の経営がダッチロール化している。配送体制も整えずにアマゾンなどの大口ユーザーを引き受けた。しかも格安料金で。その結果、配送のしわ寄せが配送員に集中し、配送員は疲弊し、しかも5万人に対する未払い残業代が190億円にも達した。挙げ句の果て、荷物1個当たりの収入は5%減った。佐川が25%増えたのとは対照的だ。宅配業界が社会問題化してから、ようやく値上げを表明。大口ユーザーに大甘だった経営判断が間違っていた。今度は一転して従業員を大量採用するという。その数何と9,200名。それにより従業員給与は163億円増えるが、値上げで賄う算段だという。ヤマトの経営には戦略・戦術が全く見えない。行き当たりばったり経営と言える。でも、ヤマトの宅配は信頼が置ける。時間通りに確実に荷物が届く。配送員は取り扱いが丁寧だし礼儀もしっかりしている。ヤマトは従業員で持っている。ヤマトはブラック企業の仲間入りをした。従業員のホワイトさが、経営者のブラック化を招いたと言えるかもしれない。