犯罪を助長させる判決

他人の無線LANの暗号化キーを解読して無断で使う「ただ乗り」は無罪であると東京地裁が判決した。常識から外れた判決だと思う。サイバー攻撃と言えばただ乗り、ただ乗りと言えばサイバー攻撃を連想させる。サイバー攻撃は、ただ乗りした上でサイト内に入り込み、データを盗んだり書き換えたりするので、重要な犯罪だ。この裁判では、サイバー攻撃の部分については有罪と判決されたが、ただ乗りの部分は無罪の判決になった。だが、電波法では「無線通信の秘密を漏らしたり、無断で使用したりしてはならない」と規定されている。この規定は単なるお飾りなのだろうか。難しい電波法の解釈はさて置いて、窃盗事件として取り上げられるべきではないのだろうか。無線LANは誰もが無料で使える訳ではない。利用者がNTTなどと契約し、使用料を払って使っている。ただ乗りは、字の通りに「只」で他人の無線LANを使っている。これは明らかな犯罪行為だと思う。東京地裁の判断が間違っているのか、法律に不備があるのかは分からない。だが、この判決は少なくとも「ただ乗り」を推奨し、サイバー犯罪を煽っているように見える。