自動運転車の衝突事故

自動停止機能を搭載した日産セレナが衝突事故を起こしたとのニュース。試乗客に販売営業員がブレーキを踏まないよう指示したが停止せず衝突した。警察は、試乗客と営業員を業務上過失傷害容疑で書類送検したとのこと。自動停止機能を搭載した車両の事故は全国で初めてとのことだが何か変だ。変と思うのは、試乗客も書類送検された事と停止しなかった事。メカニズムも何も知らない試乗客が、熟知しているはずの営業員に指示された通りに運転して事故を起こした。この状況で、果たして試乗客に罪はあるのだろうか。警察は立件理由を「自動運転機能は、運転者の安全運転が前提。あくまでも支援システムで限界がある。運転者が機能を理解すべき。警鐘を鳴らすため立件した」と言っている。試乗客にそこまで求めるものか、警察の判断は極めて疑問だ。一方衝突した原因は明解だ。日産はマニュアルで、夜間・降雨時の試乗、一般道でのクルーズコントロール機能の使用を禁じている。システムとしては、まだ出来損ないなのだ。事故は一般道の夜間・降雨時の試乗で起きた。起こるべき事が起きたとも言える幼稚な事故だ。罪に問われるべきは日産にある。自動運転機能を売り込めば、誰だって自動運転するものと思ってしまう。日産は、自動運転を謳い文句にするのではなく、まず第一に技術の未完度を謳うべきだった。特に安全性については、何が出来るのかよりも何が出来ないのかを明確に伝えるべきだった。更に日産は販売営業員への徹底した技術安全教育を怠った。日本の自動車メーカーは口を揃えて2020年までに自動運転車の販売を目指すと発表している。だが、今の安全認識レベルでは、道は遠く険しそうだ。