銃剣道と教育勅語

先月末に告示された中学校の新学習指導要領には、何と中学校の保健体育に「銃剣道」が盛り込まれた。銃剣道とは、三八式歩兵銃の先に銃剣を装着したものを模した木製の銃で、突き合いにより勝負を決するもの。まさに戦時中に小中学生が内地戦に備えて訓練していた武道と言うよりは戦闘練習だ。戦後GHQ指令により武道は禁止されたが、銃剣道は今では「自衛官の競技」として残っているに過ぎない。しかも現在銃剣道を授業で実施している公立中学は全国で1校しかないとのこと。指導要領に「銃剣道」を入れたことは極めて異常だ。一方、政府は戦前・戦中の教育の根本理念とされた「教育勅語」について、憲法に反しない限り教育勅語の活用を否定しないと閣議決定した。教育勅語には軍国主義を正当化する中身も含まれているし、主権は国民ではなく天皇にあることが前提とされている。「教育勅語」は憲法に違反していると言える。一方「教育勅語」には、子供の教育として良い事もかいてある。多くの右翼系の政治家は、それをもって教育勅語を賞賛するがまやかしに過ぎない。教育基本法第2条には、教育勅語から軍国主義と主権在君を削除した子供の教育として良い事が明記されている。教育基本法第2条を無視し、教育勅語に拘ることは、まさに軍国主義礼賛と言える。国民はそうでもないが、政治家は主権在君・軍国主義に向かっている。歯止めは国民の声しかない。