トランプとトヨタの一騎打ち

トランプが吠え、世界の自動車業界に激震が走っている。メキシコに工場を移設したら35%の関税をかけるぞと脅迫。フォードはメキシコ工場移設を撤回した。ところが、トヨタの答えはノー。元々工場をカナダからメキシコに移設するのだから、米国とは関係ない。寧ろトヨタは米国内の工場に数百万人の雇用を生み出していて、米国経済を助けている存在だ。メキシコ計画を続行するという。トランプ何するものぞ、という立場もうなずける。一方日産のゴーンは様子を見て判断すると言い、マツダは真っ青で、部品供給の旭化成社長などはトランプになびく気配だ。何とも情けない限りだ。反応は三者三様だが、トランプの言動をどう見るか!そこにトップの見識が現れていると思う。自分はこう思う。トランプの大統領就任は今月20日。トランプは就任前の無責任で放任された立場を生かし、最大限の効果を上げようとしている。だから非常識に民間会社を攻めている。でも今日は6日。就任まで後2週間。だが、正式に就任すれば立場は変わる。米国の一大統領としての権限しか無くなる。大きいようで小さいのが米国大統領の権限。既にオバマで実証されている。ここがポイントだ。トランプを支持している共和党員は半分にも満たない。その後はトランプ対上下院議員の戦いになる。結果は明白だ。議員連合が勝つに決まっている。現時点で言えることは、トヨタの判断は正しいということだ。決して正しかったという過去形ではない。そこに世界のトヨタの豊田社長の、先を見る目を少し感じる。日本経団連の連中たちには、こんなことにオタオタするなと言いたい。