佐川急便とコメンテーター

佐川急便が連日マスコミを賑わさせている。配達中の駐車違反を隠すため会社ぐるみで身代わりを出頭させていたことがバレて、検察に略式起訴されたのは最近だ。そして、暮れの忙しいときに全国的に配達の遅延が発生しクレームの雨を浴びている。更に、テレビの情報番組では、配達員が荷物や台車を投げ飛ばすシーンが放映された。コメンテーターは配達員を非常識だと批判しているが、果たしてそれで済まされる問題なのだろうか。佐川急便という会社自体に問題があるのは間違いない。身代わり出頭も遅配もキレた配達員も、根っこは同じ。配達員不足が原因だ。逆に言うと、激増する荷物に対して配達能力が追いついていないという事だ。激増する要因はいくつかある。年末のお歳暮やクリスマス商戦。ネット購入の急増。配達先の留守による再配達等々。配達を主業務とする会社が、世の中の動きに対応出来ないというのは極めておかしい。経営トップがサボっていて、しわ寄せを全て既存の配達員に頼っている構図としか見えない。配達員にはノルマがあるだけ。残業規制も特別手当も無い。配達員にとっても佐川はブラック企業そのものに違いない。コメンテーターは荷物を投げ飛ばす配達員の裏に潜む問題をえぐり出し、陽の下にさらけ出すのが仕事だ。更に改善策を提案出来れば優秀なコメンテーターといえる。でも、そういう人は殆どいない。残念。