今年の一皿の価値

ぐるなび総研が選ぶ「今年の一皿」は「パクチー料理」になった。伊勢うどんやローストビーフ丼など15のノミネートの中から選ばれた。パクチー料理はもとより15品とも全て、残念ながら食べたことは無い。パクチーは、中国語ではシャンツァイ、英語ではコリアンダーと呼ばれている。シャンツァイというと、何処かの中華料理店で食べた記憶を思い出させるほど、一種独特な味と香りがしている。料理の上とか脇にチョコッと薬味として載っていた。あれがパクチー料理かと思ったら、そうではない。今やパクチーは主役に躍り出て、山盛りパクチーの鍋とかサラダとか、スイーツなどにも幅を利かせているようだ。パクチーは癖になる。パクチー愛好家をパクチストと呼ぶ造語も誕生したとか。今年の一皿に選ばれたのも、分かるような気がする。もっとも、自分であれば技術に広がりのある米麹を選ぶのだが。因みに一昨年の第1回今年の皿は「ジビエ料理」だった。鹿が繁殖し過ぎて田畑を食い荒らすため、農水相や厚労省が食糧利用促進を打ち出したことが発端だった。そして昨年は「おにぎらず」。日本人の米離れが進む中で、新たな発想で米の価値を見直させた功績がある。今年の「パクチー料理」は、世界の文化や味を取り入れ日本文化に融合させる日本人の特徴を再認識させた。もうあと何年かすると、パクチーも和食食材の仲間入りをするのかもしれない。