2020年以降の社会保障改革

自民の若手政治家が、2020年以降の社会保障改革や財政再建などのあり方を考える委員会を開いている。若手を集め実質的に仕切っているのは小泉進次郎衆院議員。これから人生100年を生きる時代に突入するのに、戦後の高度成長時代に作られた今の社会保障制度では対応出来ないという危機感が発端だ。先月その「2020年以降の経済財政構想小委員会」が提言を行った。「人生100年時代の社会保障へ」と題し、提案は3つ。雇用形態に関係なく、企業で働く人全員が入れる社会保険制度を作ること。長く働くほど得をする、一人ひとりのライフスタイルに合った柔軟な年金制度を整備すること。健康に気を使っている人は自己負担が軽くなる、自助努力を促す医療介護制度にすること、の3つ。この医療介護制度がユニークだ。優良運転者に与えられる「ゴールド免許証」のような「健康ゴールド免許」制度を提言した。健康ゴールド免許保持者は、医療費負担が3割から2割に軽減される。生活習慣病、がん、認知症などは、健康管理次第で予防や進行の抑制が可能なものが多い。自助努力次第で医療費の低減は可能だ。今の医療制度を維持するにも、今後は皆で病気予防に努める必要がある。一方、この制度は、病気になった人への制裁だとか、病気を自己責任にするのかとか、健康管理に努力しても病気になる人もいるとか、反発も多い。だが、これを契機に数年後の社会保障改革についての議論が深まれば、未来のあるべき姿が見えてくる。大いに議論し国民的関心事にしてほしいものだ。小委員会は良い仕事をしていると思う。