萩生田発言の是非

萩生田官房副長官が民間の会合で、TPP承認案の衆院裁決で猛反対した野党の対応を「田舎のプロレス。茶番」と比喩したことに野党が猛反発している。今は「田舎のプロレス」という言葉だけが独り歩きしているが、正確には「強行採決なんていうのは世の中にありえない。審議が終わって採決をするのを強行的に邪魔をしていく人がいるだけだ。田舎のプロレスといえばプロレスの人に怒られるが、ここでロープに投げたら帰ってきて、空手チョップで1回倒れて、そういうやりとりの中でやっている。私はある意味、茶番だと思う。もうそろそろ、こういう政治のあり方は変えるべきだと思っている」と言った。これに対し蓮舫代表は「国会審議は茶番で、野党は邪魔する存在だと思っているのか」と追及。野党四党の国対委員長は「政府高官や閣僚のおごり高ぶった発言が相次いでいる。国会を侮辱する発言は許せない」と意見が一致。今の国会を見ていて自分は、蓮舫が言う通り、国会審議は茶番で、野党は邪魔な存在だと思う。萩生田はYESと答えるべきだった。野党四党国対委員長の指摘の通り、政府高官や閣僚はおごり高ぶった発言をし過ぎていると思う。でも、国会を侮辱する発言は許せないと言う前に、侮辱された我が身を振り返るべきだ。侮辱の元を絶ち切るのが先決だ。プロレス好きの野田元首相は「プロレスの面白さは力一杯互いに力を出し合うところにある」と説く。だが、プロレスはショーだから予め勝敗は決まっている。野田元首相はプロレスは全てガチンコだとでも思っているのだろうか。そうならば能天気と言える。結局萩生田発言は間違ってはいない。野党は反発する前に萩生田発言を噛み締め消化する必要があると思う。

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コメント: 2
  • #1

    小谷野 俊夫 (金曜日, 25 11月 2016 15:34)

    強行採決かどうかは、西成さんのいわれるように水掛け論的なところがあると思います。しかし、民主主義では問題をいろいろな角度や利害から議論し、ぎりぎりのところで妥協する、ということが前提ではないでしょうか。審議の過程がそうなっていないのは、野党だけのせいではなく、政権党が結論ありきの立場を堅持して、本質的な議論に応じていないことからきている面も多々あるように思います。野党が的外れの質問をしたとしても、政権党は物事の本筋がわかるような説明をしてほしいものです。TPPの委員会審議の段階でもほとんど全面黒塗りの資料がでてくるなど、どうなっているのかと思います。

  • #2

    nishinari (土曜日, 26 11月 2016 11:03)

    小谷野さん:コメントありがとうございます。私も小谷野さんのご意見通りだと思います。萩生田官房副長官が「こういう政治のあり方は変えるべきだと思っている」と言っているのも同じ指摘だと思います。TPPの国会議論は野党の戦術の拙さにあると思っています。野党はTPPの交渉経過を問題にしましたが、まだどの国でも承認されていません。交渉中の秘密資料を承認前に公表することは信義違反です。公表すると各国の審議が紛糾し混乱します。締結前に公表すべきではありません。それなのに交渉資料を黒塗りで見せたのは、石原担当大臣のジャッジミスだと思います。野党は合意した内容について議論すべきだったと思います。交渉資料の開示と追及は、交渉成立後にすべきことと思います。