赤切符と青切符

我が家が暮らしている街は戦時中の空爆に合わなかった為、古い昔の道が残っている。街並みが保存されているように聞こえるかもしれないが、そうではない。細く曲がりくねった道がやたら多く残っているのだ。街道から外れ我が家の近くに差し掛かると、道は極端に狭くなり運転時に対向車などに遭遇しようものなら回避が一仕事になる。そのため最近少し遠回りだが、比較的広い道を通るように変えた。その途中に国道と市道に挟まれた線路の踏切がある。その市道には時々パトカーが止まっている。初めの内は休憩しているのかと思っていたが、そうではない。ネズミ取りをしているのだ。国道から市道に行くには、右折して踏切を越えることになる。対向車の合間を見て右折し、即踏切だから確実に一時停止をする車は少ない。パトカーはそれを狙っているのだ。そのパトカーを見かけると「姑息なまねはよせ。そんな時間があったら危険運転を取り締まれ」といつも思っていた。危険個所も多いし、危険運転も多い。そちらをメインに取り締まってほしいが、警官はネズミ取りに力を入れている。その訳がようやく分かった。交通違反には赤切符と青切符がある。赤切符は免許停止や免許取り消しなどの行政処分が科される違反で、罰金は国庫に納められる。青切符は行政処分には至らない軽微な違反で、反則金は自治体に納められ、交通安全対策特別交付金として警察やその天下り先企業に配布されている。つまり軽微な違反が増えれば増えるほど警察が潤う仕組みになっている。まるで警察が交通違反の増加を願っているような構図だ。ちなみに交通安全対策特別交付金は年間800億円にも達するという。仕組みを変えない限り、ネズミ取りは永遠に不滅と言えそうだ。

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コメント: 2
  • #1

    小谷野 俊夫 (水曜日, 16 11月 2016 09:25)

    赤切符と青切符はまさにそのとおりですね。インセンティブを少し変更するだけで住みやすい社会をつくることができそうです。

  • #2

    nishinari (水曜日, 16 11月 2016 22:40)

    小谷野さんへ:コメントありがとうございます。日本には変な仕組みが沢山有りますね。いくら大型投資をしても電力料金に転嫁できる法律も変ですよね。電力会社が政治家に強いのも最もです。この種のものは、変だ、変だと言い続ける必要がありますね。