規制改革推進委員会

黒田日銀総裁が物価上昇率2%の目標達成時期を先送りし、事実上の敗北宣言をした。元々アベノミクスの3本の矢とは、大胆な金融政策と機動的な財政政策と民間投資を喚起する成長戦略。3本の矢を同時に進めなければデフレから脱出出来る訳がない。今まで金融政策だけに頼っていたのだから、刀折れ矢尽きても当然と言える。余りにも成長戦略の出番が遅かった。いや、遅かったと言うよりは、官僚らに阻まれて構造改革を進めるパワーに欠けていたと見るべきだろう。規制改革委員会が衣替えをして規制改革推進委員会となり、メンバーも入れ替わり強力な布陣になった。安倍首相はアベノミクスの一丁目一番地は規制改革だとし、医療、農業、雇用分野の岩盤規制を打ち破るべきと言ってきた。その方向性は間違いない。いよいよ今度こそは実現するかもしれないと思わせるメンバーがいる。議長の大田弘子政策研究大学院大学教授、議長代理には、強い農業の再生に向けた農協改革で手腕を発揮した金丸恭文フューチャー会長、年金や医療・介護分野の改革を提言してきた八代尚宏昭和女子大学特命教授、改革仕掛け人の原英史政策工房社長、雇用解雇ルールに強い安念潤司中央大学法科大学院教授らが名を連ねている。このメンバーで岩盤規制の壁を打ち破ることが出来なければ、今後当分規制緩和は望めない。だが成功のチャンスは、安倍首相の強力なバックアップと信念の強さにかかっている。