米大統領選の行方

米大統領選の第1回テレビ討論会が始まった。嘗てはテレビ討論会が勝敗の帰趨を決めたこともあったが、近年ではそれ程重要視されていない。だが、今年は違う。ヒラリー対トランプだ。全世界で約1億人が視聴したという。熱狂的な人気があるという訳ではない。反対に両者とも人気が無い。どちらにも票を入れたくない。どちらが、より入れたくない方かを見極めるために視聴した人が多かったようだ。ヒラリーは政治家としての経験や判断力は評価できるが、嘘つきで不誠実だという印象が強く人気が無い。一方トランプは閉塞感の漂う現状を打破するという期待がある半面、知識や言動、振る舞いなどあらゆる面で大統領の気質に欠けるため問題外とみる人も多い。第1回目は6対4くらいでヒラリーが優勢のようだ。だが今の成り行きではどう転ぶか分からない。ドングリの背比べといったところだ。しかし、ここに来てヒラリーの健康問題が浮上している。9.11追悼式で体調を崩し途中退席した。軽い肺炎とは言っているが、数年前にも脳震盪を起こしている。病名は右脳横静脈洞血栓症。脳梗塞で血栓溶解剤を服用しているという。いつ倒れるか分からない。大統領選前に撤退するか、大統領任期中に退任するかもと憶測されている。ひょっとすると、両者の対戦は、両者共退き副大統領候補同士の対戦に変わるかもしれない。ヒラリーのティム・ケーン副大統領候補対トランプのマイク・ペンス副大統領候補。両者共大統領としての資質がある。この両者が10月4日にテレビ討論会を行うことになっている。状況次第ではこの討論会で一気に流れが変わるのかもしれない。